今のところ、当地長岡では大雪にはならず比較的穏やかな冬を過ごしています。ただ、油断大敵で、毎年恒例のようにセンター試験の頃は何故か大荒れの天気になります。2月前半までは、冬型の気圧配置に注意しながらの生活となります。事故・ケガのないようにしたいものです。
はるかに過去を思いだすと、長い休み明けの登校日は嫌なものでした。たいていは宿題をしてない自分が悪いのですが、宿題なんて面倒なことは子どもにとっては後回しになります。大人になった今でさえ、後回し・先送りにすることが多いんですから。当然、休みの終盤あるいは登校日当日の朝に思いだしたりします。何故なんでしょうね?
そんな自分自身の問題とは別に、イジメであったり、体調不良のため、不登校になる児童・生徒が一定割合いるそうです。また、ハッキリした原因がわからない場合もあります。一般的には、原因を明らかにして、それに適切な対処法をとるということになります。体調不良であれば、治療をすることで不登校が解消すると考えます。
体調不良の原因として多いのが、起立性調節障害と言われる自律神経障害です。活動に充分な血圧上昇が得られないために、脳血流が不足し、ボーっとする、元気がない、などの症状があります。「子どもはミニサイズの大人ではない」というように内臓などの問題はありませんが、身体の成長と臓器の働きのミスマッチにより、いろいろな不調を生じます。成長と共に、解消してゆくので心配はありません。ただ、リハビリ訓練や一時的に漢方薬を使用するという方法もあります。
また多くの場合、イジメのほか、原因の有無にかかわらず、問題解決が不登校の解消につながるとも言えません。私なりには、大人の考える原因は子どもにとって原因とは限らないと解釈しています。ですから、因果論的に考えるよりも円環的に考える方が、効果的だと思うのです。場合によっては、自律神経障害があるのに、何故だか不登校が解消するということもあり得るのです。
そのためには、当初はいろんな方向からアプローチをして、反応を見ることも大切です。もちろん、効果的と思えるアプローチ法を試すわけですが、子どもさんとの関係を壊さないように穏やかに刺激してゆくので、周囲からみると何もしてないように映るかもしれません。でも、何もしないようでいて(何もしないように見える介入を意図的にするのですが)問題が解決したなら、それは本人と家族の問題解決能力によるものとみなせますよね。本人と家族には自信がつくのでは?将来の問題解決能力と言う点では、カウンセラーに依存するよりいいでしょう。
当薬局では、漢方薬といえども長期間飲ませ続けるというように考えていません。「なるべく早めに終了に持っていく」ように心がけています。心理療法も同様です。多くのケースで、本人にも家族にも、もともと問題解決能力は存在します。その能力が充分発揮できるような状況を作る手伝いをするだけです。
原因探しをする必要はありません。本人が悪いわけではありません。家庭内に問題が存在するわけでもありませんから、夫婦喧嘩の必要もありません。もちろん、学校にも友人にも、・・・と探すことは必要ありません。そういうものだと思っています。
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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局 廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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