三浦春馬さんの死を通して

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)で闘病していた女性の死を巡り、神経難病の
安楽死について考えさせられました。報道中の事件は、明白な殺人事件として
法律によって処分されるでしょう。ただ、終末期において必要以上の延命措置
を望まないという流れは、徐々に強くなっているように思っています。

 そして一連の報道の中で、私が印象に残っているのは自身もALSである
舩後議員の「『死ぬ権利』よりも『生きる権利』」という表現でした。私と
しては、どんな人でも『生きる』という選択がしやすいような社会になれば
と願っています。

 タイミングは前後しますが、先週末に俳優の三浦春馬さんが死亡したとの
ニュースもありました。報道では死亡原因は自殺ということですが、理由は
どうあれ「生きていて欲しかった」と思うのです。「死にたい」と思うほど、
追いつめられ、辛い状況にある人にとって、私の思いなど綺麗事に過ぎない
でしょう。『それでも、生きて・・・』です。

 私ら心理の専門家に必要なスキルに「傾聴」があります。でも、その前に
目の前の人を「無条件に受け入れる」「存在を承認する」ことが、最も大切
なスキルだと思っています。

 うつ病の人、統合失調症の人、多重人格の人、神経質な人、疑い深い人、
そして今にも死にたいと思う人、どんな人でも先ず無条件に受け入れるの
です。治療者のそんな態度が、治療的に働くことは間違いないでしょう。
といっても「言うは易く行うは難し」ですが・・・。

 ただ、自死を選択している人は、一時的に認知の盲目状態に陥っている
ので、無条件に受け入れることによって「生きる」という選択肢に気づき
やすくなります。ビミョーな表現の違いですが、「死ぬな」と否定するの
ではなく、「生きていて欲しい」と存在を受け入れると、認知的な視野が
拡がるように思います。その後は、認知行動療法なり、森田療法なり、
交流分析なり、マインドフルネスなり、いろいろ治療法はあります。

 中島みゆきの「誕生」という歌に
「リメンバー、生まれた時、誰でも言われたはず、・・・、耳をすませて
 思いだして、最初に聞いた『ウェルカム』。
 ・・・、けれど、もしも、思い出せないなら、私いつでも、あなたに言う、
 『生まれてくれて、ウエルカム』」という好きなフレーズがあります。

 そう誰だって、生まれた時は「ウエルカム」だったのです。そして、今
現在も。だから、死ぬ前の三浦春馬さんに言いたかった。「生きていて
欲しい」と。

    亡くなった三浦春馬さんのご冥福をお祈りいたします。

 

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