「かぜ」と総合感冒薬

 「風邪は万病のもと」と言われる一方「風邪くらいで仕事を
休むな!」とも言われます。
いったい、どうすれば???と悩みますよね。

 

 実際、私だって「風邪っぽい」くらいでは仕事は休みません。
これが、新型コロナ感染症やインフルエンザの可能性が高いと
なれば別ですので、しっかりと区別する必要があります。

 

 基本的に、「かぜ症候群」は3~5日で自然に治る病気です。
症状は、くしゃみや鼻水、のどの痛み、咳の3症状に加えて、
軽い発熱や頭痛などを伴うことがある程度です。3症状には
もちろん強弱があり、個人個人異なります。

 

 一方、インフルエンザや新型コロナ感染症の場合は、他人に
うつす可能性があります。インフルエンザでは、高熱や関節痛
などの症状も強めに出るので、仕事にも支障が出やすいでしょう。

 

 新型コロナ感染症は、変異株によって現れやすい症状が違い、
この症状なら「コロナ」と断定はできません。「かぜ症候群」や
インフルエンザと紛らわしいため、キットを使用して総合的に
判断することになります。

 

 そして、やっぱり「かぜ症候群」となった場合、「総合感冒
でも飲んで、早めに休みましょう」となるのでしょうか。
早めに休むことは大賛成です。しかし私は総合感冒薬は不必要と
考えます。

 

 薬物は必要最小限の使用で済ますのが基本です。特に近年は
その意識がさらに高まっていると感じています。その視点で、
総合感冒薬をみると、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、
その他で構成されていて、全てが必要かと言えば否です。

 

 むしろ自然治癒を妨げる場合もありますし、そもそも有用性が
疑問な成分もあります。「かぜ症候群」であれば、ほとんどは
数日で治癒するので、本当に必要な成分だけの使用で充分だと
考えています。それも、必要な時に限った頓服で充分かと。

 

 現在、医療機関でも、「かぜ症候群」なら解熱鎮痛薬を数回分
という処方が増えてきているのではないでしょうか。抗生物質
ほとんど必要ないので、まず処方されません。これらは新しい
知見(エビデンス)の結果です。

 

 残念ながら、薬業界では、古くからの慣習にしがみついて
多成分てんこ盛りの「総合感冒薬」がメインです。
是非、あなたの「かぜ症状」に合った、本当に必要な成分だけの
薬を相談のうえ、お選びください。

 

 

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