治ることがゴールなのだろうか

 スクールカウンセラーとして意識していることがあります。
相談された悩みを解消するよう工夫することはもちろんですが、
児童・生徒たちが将来経験するであろう苦難やストレスを
上手くやり過ごすスキルを身につけてもらうことは、もっと
大切なことだと思います。

 

 例えば不安を訴える人がカウンセリングなどで、不安が解消
したとしましょう。医師であれば抗不安薬を処方すると思います。
でも、その時の不安が解消しても、そのような方は何かの節に
新たな不安を抱えることが往々にしてあります。

 

 その都度、カウンセリングや抗不安薬で対処するのも一つ。
一般的なゴールは、このパターンかと思います。
ここで「はて?」と思うわけです。確かに、その人のその時の
問題は解消されています。

 

 でも、その人は本心として、目の前の不安を解消した先に、
あるであろう不安に左右されない生活、例え不安が生じても
大きく動揺しない自分自身を、そんな未来を思い描いている
のではないのかなぁと想像します。
(私の妄想かもしれませんが)

 

 カウンセリングにしても単なる傾聴に留まるのではなく
不安を抱えつつ上手く乗り越える自身の力の存在に気づき
自信を深めるような傾聴なら、治ることの先にあるゴ-ルに
近づいたと言えるでしょう。

 

 より幸せな人生を過ごしてもらうために、本当のゴールに
向かえるようなガイド役でありたいと考えています。
そのツールとして、ポジティブ心理学の視点を大いに参考に
させてもらってます。

 

 学校では、相談に訪れる児童・生徒や保護者には直接的な
対処法をお伝えしますが、それ以外の大多数の関係者には
心の健康貯金を殖やすようなヒントを撒いておこうと考えて
いるわけです。

 

 そして、身体の病気・症状も心の悩みも、必ずしも解消
できるものだけではありません。解消できなくても、上手く
共存できるような過ごし方が身についていれば、幸福度は
高くなることと思います。

 

 GDPや物質的豊かさと幸福度が比例しないことは、
日本人の若者への幸福度に対する調査で明らかです。
また、おそらく長寿と幸福度も比例しないことでしょう。
「幸せな人生」を過ごすために必要なものを、漢方薬
言葉とともに提供できるような薬剤師・公認心理師
ありたいと思っています。

 

 

 漢方薬東洋医学の相談、心療内科領域の心の相談、丁寧な説明

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 薬剤師・公認心理師スクールカウンセラー  廣橋 義和

 

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