太りたいのに太れない悩み

 おそらく多くの人にとっては、信じられない悩みなのでは
ないでしょうか?「私なんか水を飲んでも太るのに、、、」
「痩せてもすぐに元通り、、、」などが、一般的でしょう。

 

 悩みに重いも軽いもありませんが、「太りたい」人の悩みは
切実な印象があります。特殊な例では、がんによる体重減少で
「悪液質」とか最近では「がんロコモ」などと表現されています。

 

 ここまででなくても、「入院前の体重に戻したいけど食べ
られない」とか「食欲が落ちて食べられない」など。
このようなとき、いろいろな検査をしても数値上は問題ない
ことが多いもので、「病気ではないから治療できない」と
なるのが普通ではないでしょうか。

 

 私は、栄養学の専門家ではないので間違っているかも
しれませんが、たぶん栄養学でも解決できない悩みかと
考えています。

 

 誰の言葉か忘れましたが「悩みがあれば、必ず漢方薬
存在する」という名言があります。「検査で異常が見つから
ないような悩みでも、不調を回復させるような漢方薬
あるから安心してください」というメッセージなのです。

 

 実際、がん性の悪液質に漢方薬は使われ効果を上げて
いますし、漢方薬で食欲が増すことも頻繁に経験します。
簡単に解消するとは言いませんが、回復はその人のペースで
(つまり早い人も遅い人もいます)前へ進みます。

 

 このとき注意したいことが一つ。「焦り」は反って逆効果
ですので、自分の回復する力を信じて取り組むことです。
多くの漢方家は、「相談者の回復する力」を信じています。
35年以上の相談経験から、誰にでも「回復する力」は
あると確信しています。

 

 ですから、少し長い目で自分の回復力を見守って欲しい
のです。そうすれば、数字だけでなく本当の意味での
「太る」ことが叶うでしょうね。

 

 漢方薬を提供するだけではなく、相談者の不安に寄り添い
伴走することが、漢方家には必要なのだと思います。
私は、これを「心療漢方」と呼んでいます。

 

 

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 薬剤師・公認心理師スクールカウンセラー  廣橋 義和

 

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