ガンと闘う体力の鍵は

今日は雪がチラチラと舞うような天候ですが、もう積雪量が増すような降り方はしないでしょう。1日1日と春に近づいて行くこの頃は”三寒四温”といわれるように気温の変化が激しい時です。体調管理に気をつけましょう。


がん治療において、体力を如何に保つかは生存率にも影響を与える重要な問題です。ガン患者さんに高栄養を与えても充分な効果が得られないことから(効果のある人もいます)栄養を身体に取り入れる働き自体が低下していると考えられています。例えば抗癌剤を使うと高率で食欲低下をきたしますが、更に吸収などにも影響が出ていたり、点滴で与えても体力低下が進むのです。


癌が進行して、やせ衰えていく状態を”悪液質”といいますが、炎症をコントロールするとこの悪液質に陥らずに済む可能性が出てきました。どうやら悪液質の進行にがん細胞から出ている炎症性サイトカインが関係しているようです。


癌と炎症の関係を研究している三重大学大学院准教授三木哲雄先生によると、炎症の程度をCRPで栄養状態を血中アルブミン濃度で分類したところ、炎症が強い人ほど生存率が悪い結果が出ました。そこで炎症を抑える作用のある食品を摂取させたところ、食欲も増して悪液質から回復できたケースも報告されています。体力も増して治療が継続できるし副作用の影響も少なくなるようです。


炎症というキーワードで癌治療を考えることも大きな意味を持つように感じています。基本的に漢方薬は炎症を抑える効果を持っていますから、がん治療に漢方薬を加えることのメリットは充分あります。また食欲増進作用のあるグレリンという物質を漢方薬が増やすことも確認されていますから、悪液質対策(=ガンの積極的克服)に漢方薬はかなり有望と考えています。


炎症の程度や癌の進行度によっては、ゴオウなどの抗炎症作用の強い生薬を組み合わせることが必要でしょう。ただ理論的な根拠がなければ、弱者の弱みに付け込んだビジネスでしかありません。私ら漢方家に相談されるような時は、切迫した状況が多くありますからできるだけ確実な情報を元に、希望を与えてゆきたいと考えます。


それにしても炎症は健康を脅かす大きな存在だと改めてわかりました。食品を炎症というキーワードで見ると病気との関係に新たな結果が出るように感じます。健康を作ることは、身体を作ることですし、身体を作るには食事が基本ですからね。

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