痛み止めの胃障害

痛み止め(解熱鎮痛剤)は抗生物質と共に、副作用頻度の高い薬剤です。しかも抗生物質と違って薬局薬店などで手軽に手にいれることも出来ます。痛みがあると日常生活に影響が現れるため、痛み止めは上手に使いたいものですね。


痛み止めの代表的な副作用は、胃粘膜障害でしょう。胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍など、粘膜に炎症や潰瘍が出来、胃痛や腹痛や出血(吐血や下血)が自覚症状として現れます。この副作用は飲み薬がほとんどですが、注射や坐薬などでも起こります(専門家でも誤解している人もいます)。


自覚症状があれば中止にするなり粘膜を保護する薬剤を加えるなりして対処することになります。問題は自覚症状のない粘膜障害が意外にも多くあるということです。自覚症状がない場合は胃カメラなどで確認するしかありませんが、健康診断などの機会でもなければ見つかることはないでしょう。


出血が大量なら吐血や下血などで確認できるでしょうが、少量の場合はわからないでしょうね。ただ少量でも出血が続いていれば貧血症状が進んできますから、顔色が悪いとかめまいなどの症状が現れてきたら、痛み止めを飲んでいる人は潰瘍からの出血を考えた方がいいと思います。


最近は痛みを止めるのが目的でなく、血栓を防ぐ目的でアスピリンという解熱鎮痛剤が使われています。アスピリンを飲んでいる人は、貧血症状にも気をつけてほしいものです。


薬に副作用は付き物です。不幸にも副作用で大きな障害を残したり亡くなったりする方がいるのも事実です。私達薬剤師がチェックしなければならないと思いますし、期待されている部分でもあると思います。


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