カゼと発熱

風邪ひきさんが増えています。重症度の目安に発熱の具合を気にされる方が多いのですが、熱が高いほど重症と考えていいのでしょうか?


発熱によるメリットは、免疫システムの活性化と病原菌を弱らせることにあります。したがって発熱により病気を早く治そうと生体はしているわけです。熱を上げるには体力を必要としますので、体力の消耗がデメリットになります。


よく心配されるのが高熱で頭が変になるのではという疑問でしょう。一般的に41℃以上の発熱が長時間(3日以上)続かなければ脳障害の心配はないといわれていますので、通常の風邪症候群でしたら全く心配無用といえます。インフルエンザでも39℃までだったら気にしなくてよいということになります。


インフルエンザ脳症では、体温が高いほど死亡率も上っていますが解熱剤の使用により死亡率は更に高くなるという結果が11年度の厚生科学研究から出ています。


また北大の本間幸彦元教授は解熱によりウィルスが増殖するという国内外の研究データを示し漢方薬と解熱剤で比較すると漢方薬の方が発熱期間を40%短縮できたとの結果を発表されています。


また高齢者の肺炎では高熱が出ないことも多く、発熱の程度で重症度を決めることは危険とさえ思えます。これは体力(=免疫力)が少ないために免疫システムを働かせるだけの力がないとも考えられます。


このようなことから、発熱≠重症度であり、発熱のないときのほうが重症(高齢者の肺炎のように)のこともあると思っています。なかなか納得していただけないのですが、高熱を出す子供の方が病気は早く治りますし、微熱になってからの方が完全に治るまでの期間は長いことを経験していませんか。


私の基本方針は、体力を奪うほどの高熱・意識が朦朧とするほどの高熱などの時は、必要最小限で解熱剤を使用(牛黄で代用することもあります)し、極力解熱剤は使用しないようにアドバイスしています。


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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
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