“末期ガンが消える”などと一世を風靡した機能性食品アガリクス。もちろんアガリクスだけでなくメシマコブ・ハナビラタケ・ヤマブシタケ・・・・と雨後のタケノコのように多くのキノコ製品が発売されました。今もこれらのキノコ製品を求めて問い合わせがあります。
さて結論から言えば「使い方によっては効果があるのかもしれないが、単独での使用の場合では価格に見合った効果はほとんど期待できない」と私は考えています。使い方とは、ガンのタイプ・組み合わせる他の製品(漢方薬など)・使用するアガリクスの品質と量・のことです。
アガリクスブームの火付け役の1人に、故人となった農学博士のM氏がいます。バブル景気後で、ドラッグストアとの価格競争で停滞していた薬業界にとって、新たな利益商品が出来たわけです。“溺れる者はワラをも掴む”こんな心理のガン患者にとってもセンセーショナルな商品でした。
一番販売量が多いS社の価格は1か月分約5万円(アガリクスで1日3〜5gに相当)。かなり高い値段ですが、国内で相当売れたようです。私のところにもメーカーから売込みがありましたが、客観的なデータを要求したところ、データの提出がなかったのでS社の製品は扱いませんでした。
当店で扱ったのはアガリクスの乾燥品で漢方問屋から原産地証明つきの製品を買いました。500gで6万円ですから安くはありませんが、S社に比べれば1/3〜1/4の値段になります。しかも原産地(ブラジル・ピエダーテ地方)品です。これはコシヒカリで例えれば、新潟県魚沼産コシヒカリに相当すると思います。
各種の書籍や使用している医師の意見を参考に自分なりに考えをまとめてアガリクスは1日10〜20g使用しました。アガリクス単独の人(1ヶ月4万円程度)・アガリクスと漢方薬を組み合わせた人(1ヶ月6万円弱)・漢方薬のみの人(1ヶ月1.5万円)とで延命期間を比較してみると、アガリクス単独の人は半年〜1年で亡くなり、漢方薬のみの人は1年前後、組み合わせた人は1〜2年でした。
相談人数を考慮すれば結論を出すのは無茶ですが、私の中では「アガリクスは単独では効果がほとんど期待できない」となっています。今問い合わせがあっても積極的に勧めてはいません。もちろん効いたケースを完全に否定するつもりもありませんが、効く条件の一つとして漢方薬との組合せがあるかもしれないですね。
ブームに乗って売るのは楽で儲かりますが、医療人として専門知識を活かして消費者の立場に立たなければ必要のない専門職になると思っています。だから医師向けの会合でも参加しますし、なるべく少ない薬で治すを方針として仕事をしているのです。
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