タミフル耐性インフルエンザ

5年前の今月13日に新潟県中越地方を襲った梅雨前線で自宅の近くが一面湖のようになりました。ニュースなどでも大々的に放送されたので記憶されている方も多いと思います。被害に遭った女性は少しまとまった雨になると、その時のことを思い出してしまうと言っていたのが印象的です。


さて時間の問題と思っていたタミフル耐性の新型インフルエンザが日本国内でも確認されました。今日の朝日新聞では新型インフルエンザのワクチンが予定数量製造できないとの記事が出ていました。


先日漢方薬を比較的多く処方する医師と会話したのですが、今回の新型インフルエンザは病原性が高くないので通常の対応で問題ないと。ただし病原性が高くなったらやはりサイトカインストーム(身体の免疫の暴走)対策が重要になると。


身体には病原体が入ってきた時に病原体を殺し排除する仕組み(免疫)があります。熱が出たり節々が痛くなったりするのは、サイトカイン(免疫物質)が増えてきちんと働いている証拠なのです。


この時あなたの身体にも少なからずダメージを受けます。通常はこのダメージは身体の機能が大きく低下するようなものではないので、数日安静にしていれば自然と回復しますね。サイトカインストームではこのダメージが大きく、重要な臓器の機能が低下することが予想されます。その結果危篤状態となり、生命の危険が生じるのです。


ワクチンを打っているとサイトカインストームが起きにくいと考えられます。通常のインフルエンザでもワクチンを打っていると軽症で済むと言われるのはこのような理由からです。


またこのダメージにより他の細菌などに感染(二次感染)しやすくなり、肺炎などを起こしやすくなるとも考えられています。したがってサイトカインストーム対策が私は重要だと考えていて、先の医師と「漢方薬を使うならどれかねぇ」との会話になったのです。


以前にも書いたことがあると思いますが、恐らく予想される症状の程度から一般的に使われるマオウトウ・カッコントウなどでは充分な対応ができないように考えられます。


私は、マオウトウ・カッコントウの他にダイセイリュウトウ・ダイサイコトウ・サイコカボウショウトウ・ダイジョウキトウ・ビャッコトウ・など一般的に馴染みのない漢方薬も使う必要性があると考えています。


また身体も弱ることからシンブトウ・シギャクトウ・ニンジントウなどの漢方薬も使う機会が増えるでしょう。これらの漢方薬は、エキス剤にないものも多く漢方薬に詳しい医師・薬剤師でないと手に入らないでしょう。


漢方薬の古典《傷寒論》の序文に「感染症の大流行で地域住民の7割が死亡した。この被害を繰り返さないために対処法を記した本を編纂した」と書かれています。抗生物質や抗ウィルス薬のない時代に今でも充分対応できる内容だと多くの医師も認めています。


病原性が高いからと必要以上に恐れず、低いからと楽観しすぎないよう冷静に対応する必要があると思います。情報の入手はバランスよく得るようにしてください。私もできるだけ偏らない情報発信を心がけたいと思います(少し漢方寄りはお許し下さい)。

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