子宮発育不全による不妊症

当薬局の漢方薬は1ヶ月で15000円程度なので決して安くない金額だと思います。ドラッグストアと比べれば(生薬使用量が異なりますが)数倍、医療機関で保険を使えば10倍近くの差があるかもしれません。


この費用の差は、必要なコストによるものと考えています。漢方の専門家として、原材料の品質は落としたくありませんし、残留農薬や重金属のチェックを済ませた生薬は価格が上っています。同じ生薬でも2〜3倍の差があります。


また学会などへの参加により常に新しい情報を入れてゆかなくてはなりません。漢方相談といっても現代医学の最新知識も必要ですから書籍代もバカになりません。結果として、安全で効果的な漢方相談を提供しようとすればコストが上るのです。加えて相談にかかる時間(初回は約1時間)調合の時間などもわずかですがコストに上乗せされています。


初めての相談の方には、費用のことを話して場合によっては家族と相談されることを勧めています。1〜2割の方は残念ながらその後相談に来ることはありません。致し方ないと考えています。私の努力は、1日でも早く・1人でも多く改善することに注ぐべきと思っているのです。


さて前置きが長くなりました。先日の日本東洋医学会学術総会で表題の内容で発表がありました。子宮発育不全により無月経期間が1〜5年の5例で漢方薬の効果を報告され、子宮発育不全および無月経が1〜3年で改善できたそうです。


私ら薬局では子宮の大きさを測定することはできませんが、数ある不妊症相談の中には子宮発育不全の方も混じっていることと思います。だから一度診察してきてもらうと助かるのですが・・・。


発表者の治療方針は、生殖器系の活動を高める”補腎(ホジン)”作用のある漢方薬を使用すること。漢方家なら普通の考え方です。一般的に使用されているエキスで効果が認められない場合にロッカクキョウやカイバホジンガンなど特殊な薬を使用して効果を上げています。


どちらも補腎効果を高めるために使用されています。私はロッカクキョウの代わりにより効果の高いロクジョウ(鹿茸)を使用しますが、このような報告があると考え方が間違っていないと確認できます。


今回の発表で興味深かったのがもう1点ありました。それはエキス剤より煎じ薬のほうが効果的で、更に補腎薬を加えたほうがもっと効果があると言うことでした。


不妊症の人で、なかなか妊娠しない人・ある程度高齢になっている人・1日でも早く妊娠したい人・・・などは煎じ薬や補腎薬の使用を考えてみたら良いのではないでしょうか。

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