骨の強度は骨密度ではない

今朝の朝日新聞に、先のチリ地震での津波予報による避難状況が掲載されていました。数%との数字が高いとは誰も思わないでしょうね。災害に対する認識の違いか、あって欲しくないとの期待値の現われかわかりませんが、ちょっと考えさせられました。災害での備もコストですから、どこまでかけられるか財政状況も関係してきますね。


15年前の阪神大震災では高速道路の橋脚が倒れました。その後全国で橋脚の補強工事が行われたことを覚えている方も多いことと思います。人間の骨は鉄筋構造に例えられます。コンクリート(カルシウム)と鉄筋(コラーゲンなどの繊維)で出来ています。


建築物はコンクリートだけでは強度が保てないために鉄筋が入ります。この鉄筋の太さや本数が少なければ強度が不足します。耐震偽装問題は、この鉄筋を節約したことでコストを下げ耐震強度も下がりました。


骨折予防では骨密度が盛んに言われますが、骨密度が高くても骨折するケースが後を断ちません。これは建造物(骨)のコンクリート(骨密度)に原因があるのではなく、鉄筋(コラーゲンなど)に問題があるために強度が保てないのです。


骨強度は、ホモシステインの濃度が高いと低くなることがわかっています。ホモシステイン動脈硬化にも関係する物質ですから、この濃度を下げることは動脈硬化を防ぐことにもつながります。


骨折予防と言うと、まずカルシウムそしてビタミンDですね。でもこれはコンクリート部分です。ホモシステインを下げるには、ビタミンB12や葉酸がお奨めです。九州地方で600人の脳梗塞患者にビタミンB6・B12・葉酸を使ったところ2年後には骨折率が1/8に下がったとの研究結果があります。


高齢者の骨折は、認知症に進む危険性が高いので骨密度だけでなく骨強度も考えてビタミンの補給をするべきでしょう。加えて適度な運動が、老化のスピードを遅らせることもわかっていますから、骨折予防だけでなく幅広い効果もある運動を積極的に取り入れましょう。今日は肌寒いのですが、日1日と暖かくなります。気分転換も兼ねて屋外に出かけてみてはいかがでしょうか。

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