あなたは『肛門の病気=痔』と思っていませんか。確かに痔はありふれた疾患ですが、同じような症状でも、ガンやクローン病・ベーチェット病などの難病の時もあります。市販の痔の薬を使っても症状が好転しないようなら一度診察を受けてみてください。
先日は肛門部の痛みで相談を受けました。我々が肛門を直接見ることはありませんから、できるだけ具体的に症状を聞くようにします。それでも当人にすれば恥ずかしいことに違いありませんから、なるべく必要最小限のチェックで済むように心掛けています。
紙に肛門部のイラストを書きながら症状を確認するとイボがあります。痔核(イボ痔)かと思ったのですが、イボは肛門にあるわけでなく肛門から離れた場所にあります。現在は痛まないとのことですが、これは血栓性静脈炎であろうと話をして養生法を説明して薬はなし。
出血はなく痛みの原因がハッキリしませんが、軽い裂肛(切れ痔)が可能性として高いことを説明して“ヘモ軟膏1号”を使用してもらうこととしました。お尻の皮膚と直腸の粘膜の境は歯状線と呼びますが、痛みを感じるのは歯状線の外側(お尻側)だけです。したがって痛みには坐薬は基本的に必要ないため、軟膏だけで対処可能と判断したのです。
“ヘモ軟膏1号”は私が作っている軟膏で、これでなくてはダメと言う方が数人います。腫れと痛みに対する効果に優れた成分処方の軟膏ですから、必要な方は一度ご来局の上相談下さい。肛門の痛みには、先に述べた血栓性静脈炎と内痔核のカントンおよび裂肛が主でしょう。痛みがかなり強い場合は手術の可能性が大ですが、大部分は薬で症状を抑える保存療法が行われます。
手術を嫌ったり他人に相談するのがイヤで、ドラッグストアで購入されることが多い痔の薬ですが、治りにくい場合(2週間ほど使っても改善傾向がない場合)は他の病気や見当違いの薬を使用している可能性もあります。またダラダラと続けることでカンジタや細菌等の感染および薬による肛門周囲の皮膚炎を起こす可能性だってありますのでご注意下さい。
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