一昨日は「遺伝性膵炎の診療」の講演があったので参加してきました。膵臓は血糖値を下げるホルモンのインスリンや消化酵素のトリプシンなどを分泌する重要な臓器ですが、あまり馴染みのない臓器です。胃の裏側に位置していますが、ご存知でしたか?
膵炎自体は発症頻度も高くないので、薬局で相談を受けることはほとんどないでしょう。ただ症状は心下部痛や背中へ抜ける放散痛ですから、胃薬を慢性的に飲んでいる人の中には慢性膵炎の方が混じっている可能性はあります。
急性膵炎の原因はアルコールと胆石が中心で原因が特定できない特発性膵炎の中に、感染や遺伝性の膵炎があるようです。膵炎の症状は消化酵素のトリプシンが膵臓自体を溶かすことで痛みなどの症状が出ます。したがって治療にはトリプシンの作用を抑える薬が主に用いられています。
診断は血液検査とCTなどの画像診断で行われるため、設備がないと消化器の専門医以外は確定できないのではないかと思われます。(血液検査である程度想像は出来ますが・・・)膵炎の進行は、糖尿病を発症し膵臓ガンのリスクを高め寿命を短くしますから、なるべく早期に診断することが大切との内容でした。
早期診断早期治療は膵炎に限らずどのような病気にも当てはまりますが、馴染みが少ない分さらに注意が必要ですね。原因の大半はアルコールと胆石ですから、アルコールを控えたり、健診で無症候性胆石(無自覚の胆石)を指摘された人は、暴飲暴食をしないよう注意が必要です。
慢性膵炎の方で急性発作を時々起こす人は、漢方薬で発作の回数を減らすことは可能だと思います。サイコケイシトウ・オウレントウ・ニンジントウ・ショウケンチュウトウ・・・などが主に使われるのでしょうが、やはり漢方的に体質にしたがって用いるべきですね。
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