昨日の”肝臓病研究会”から。兵庫医科大学の西口教授を講師に「ウィルス性肝疾患の最近の話題」と題した講演を聞いてきました。薬害肝炎であるC型肝炎を中心にB型肝炎にも触れた内容でしたが、難しかったですね。
なぜか関西地区はC型肝炎の患者数が多く、関東や東北そして私の住む新潟県は患者の割合が少ないとのデータから話が始まりました。血液製剤の使用量と関連があるのかわかりませんが、新潟県に住む人は安心できる人が多いようです。
C型肝炎の治療は、インターフェロンと抗ウィルス薬が中心になります。これらの治療によりウィルスが検出できなくなるほど減少しますが、ウィルスの遺伝子タイプやウィルス量などにより個人差があります。
問題はウィルスがなくなれば完治だと思っていたことでした。話によればウィルスがなくなっても肝臓ガンになる人がいるとのこと。ウィルスによって肝臓に加えられた障害が、ウィルスが消えた後も影響しガンに進展するようです。恐るべしですね。
西口教授がポイントとして上げていたのは、フリーラジカル(活性酸素)です。肝炎治療で瀉血が行われますが、これも鉄による酸化障害を防ぐことになります。フリーラジカル対策としては漢方薬も注目されています。
また肝機能の目安としてALT(GPT)を指標にしますが長期的に肝ガンの予防を考えるならばALT20以下にするのが望ましいとの見解にもビックリしました。正常値は40以下ですからね。
それには肝庇護剤というものを使っていくのですが、基は漢方成分ですから漢方薬も当然使えます。長寿化の流れの中ではウィルスを減らすことだけでは肝臓ガンの発生を抑えることが出来なくなってきた現状を知り、漢方家として薬剤師として何をすべきか考えさせられた講演でした。
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