うつ病と躁病

先週稲刈りの真っ最中に学術講演会があったので出かけてきました。「うつ病診療の新たな潮流-双極スペクトラムとその周辺」と題した東京女子医大坂元薫神経精神科教授の講演でした。


始まりの時間が早かったので半分くらい聞けなかったのですが、認識を新たにした部分がありました。私は今までうつ病と躁病はセットで考えていました。存在するのは”うつ病”と”躁うつ病”だと思っていたのです。


話を聞いてうつ病と躁病は一直線上にあり(両極がうつ病・躁病)患者さんによってその割合が異なっているそうです。
例えば、Aさんはうつ90%躁10%のうつ病、Bさんはうつ60%躁40%のうつ病、と言うような具合です。


実際の治療ではその割合(スペクトラム)によって治療薬が異なってくるので、スペクトラムの診断が重要になってくるのです。最近SSRIという効果的で使いやすい抗うつ薬が広く使用され内科開業医でもうつ病を治療するケースが増えています。


SSRIの登場で治しやすくなったうつ病ですが、治りにくいうつ病もあり、治りにくいうつ病では躁病が混じっているとの話でした。


私のところの相談で漢方薬を求められる方もおり、スムーズに治っていくケースと何故か変化の無いケースがあることに気づいていました。躁病が混じっていると考えれば治りにくいケースにはそれなりの対処法(もちろん漢方薬中心)がありますので忙しい中でしたが参考になった講演会でした。


それにしても何故に人は、うつ状態躁状態を超えてうつ病・躁病の病的領域に入り込むのでしょうか?いろいろな考え方があるでしょうし、最近は分子領域・遺伝子領域での解明が進んでいますが、個人的にはスッキリしません。時間をかけて答えを見つけたいと思います。

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