薬を減らす

実は昨日が旧暦の1月1日でしたね。改めて、明けましておめでとうございます。今年は”土運不及”の歳に当たり、消化器系の病気には特に注意しましょう。食道・胃・腸・膵臓・肝臓・胆嚢などの病気ですね。腹八分目を心がけ暴飲暴食を慎みましょう。水分の摂りすぎも胃腸には負担となりますから必要以上の水分摂取は控えることをお奨めします。


私は開局時間が9:30なので朝は比較的ゆっくりとしています。とは言え、3月中旬からは農作業が入りますから朝は農作業を2〜3時間こなし朝食・出勤とバタバタしますので、のんびりできるのもあと2ヶ月くらいでしょうか。それで今朝は支度をしながらNHKを見ていたら、処方薬の飲みすぎで調子を悪くする老人のことが紹介されていました。


ドクターズルールという本があります。米国の医学生向けに書かれた心得集みたいな内容の本です。その本の中に薬について書かれた項目がいくつかありますので、紹介します。


17.投与する薬の数は最小限にせよ
18.可能なら全ての薬を中止せよ。
  それが不可能ならば、出来るだけ多くの薬を中止せよ
113.複数の薬を服用中の患者の具合が悪くなった時は、
  1つないしは複数の薬がその原因である。
  全ての薬の服用を中止し、様子を見ること
173.(略)4種類以上の薬を飲んでいる患者は医学の
  知識を超えた領域にいるのである
174.投与薬の数が増えれば、副作用の起こる可能性は
  指数関数的に高くなる
180.薬の副作用としてある特定の毒性が報告されてない
  からと言って、それが起こりえないとか起こらない
  ということを意味するものではない
204.老人のほとんどは、服用している薬を中止すると体調が
  よくなる


今朝のNHKの内容は、上記のことを述べていたように思います。これは私が普段心掛けていることなのですが、忠実に実行するほど利益にならないジレンマを抱えているのです。
でも、薬害を減らすことが我々薬剤師の仕事と私は考えるので、少ない種類の極力弱い薬で対応するように心掛けています。


先日、私の講演でもドクターズルールの一部を紹介し注意を促してきました。私は今ほとんど処方箋を受けていませんが相談されるケースの中には明らかに薬を止めたほうがよいと思われることも時々経験します。


全てではないのでしょうが、知り合いの皮膚科医も薬疹(薬の副作用による皮膚炎)の原因と思われる薬の中止を内科医に伝えてもなかなか中止してくれないと嘆いていました。私ら薬剤師ならどうなるでしょうか?


高齢者ほど調子が悪くなった時に、薬を減らすという選択肢があることを忘れてはならないと思います。我々薬剤師は特に肝に銘ずるべきでしょうね。

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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
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