被災者に対する健康支援

日本一の花火規模を誇るとされる”長岡祭り”まで1週間をきりました。例年なら梅雨もとっくに明けて暑い盛りで花火大会を迎えるのですが今年は梅雨が明けません。花火大会は延期も場合により病むを得ませんが、九州・中国地区の豪雨の被災者の健康が気になります。


5年前の7月、新潟県中越地方(長岡市北部・見附市三条市中之島町)を停滞した梅雨前線が襲い多数の死者が出ました。全国からボランティアも駆けつけ被災家屋の片付けを手伝ってくださいました。


被災者も大変ですが、行政の担当者も休まずに多くの対応に追われる毎日です。今回麻生総理が被災地の視察を中止にしたのは避難経験がある私にすれば大英断だと思います(本当の事情はわかりませんよ・・・)。個人的には偉い方の視察がどの程度災害の混乱時に役立つか疑問に思っています。百聞は一見にしかずと言うものの、応対に追われる被災地は余計な気遣いをせねばなりません。豪雨が落ち着いて復興を考える時に現状を視察するのが一番だと思うのです。


さて被災者の避難所生活はどうやら長引きそうです。この時期充分な食事が取れるか、まず気になります。2〜3日程度の短期間であれば問題ありませんが、1週間以上となればパンやおにぎりでは充分なビタミン類は摂れません。このことから私は5年前各避難所にビタミンB群およびアミノ酸のドリンクを差し入れました。体力と栄養の消耗を考えてのことです。


ただ避難所の行政担当者に真意が充分伝わらず、差し入れたドリンクが被災者に渡らなかった避難所もあり残念な思いをしました。同様のことは3ヵ月後の中越大震災でも経験しています。物資を差し入れるときは真意が伝わるような工夫が求められますね。


被災当初は、気が張りますから交感神経の緊張により血圧や血糖値が上昇します。動脈硬化が進んでいる人や高齢者では心臓病や脳卒中に気をつける必要があります。交感神経の緊張によるとされる”たこつぼ心筋症”が増加することも報告されていますから、死に直結する心臓疾患をどうやって防ぐかが重要です。


この時期は暑さとプライバシーのない慣れない環境により、睡眠も充分とれないでしょう。睡眠不足も心臓病や脳卒中の危険性を高めますし、熱中症に対する注意も必要となります。


まずは危険性をリストアップした上で、日頃服用中の薬が充分あるか確認することが第一です(2次予防・3時予防)。栄養管理や衛生管理や環境対策などは1次予防につながります。この梅雨前線がいつまで停滞するかわかりませんが、ある程度長期戦を覚悟して対策を講じることがリスクマネジメント上重要なのではないでしょうか。


今回の文章を読んでいるあなた、あなたも災害を他山の石と考えず、この機会に災害時の準備をしてみましょう。

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