インフルエンザ脳症のサインを逃すな

前回も書きましたが、新型インフルエンザによる死者が出たりインフルエンザ脳症の重症児が報道されています。私が把握している人数で大雑把な計算をすると、今回の新型インフルエンザによる日本人の死亡率やインフルエンザ脳症罹患率は、例年流行している季節型インフルエンザと変わらないどころか逆に低い数字です。


死亡したり脳症になったケースをどうしてもマスコミはとりあげ(しばしばセンセーショナルに)ますので、普通の方はやはり驚き心配になりますよね。しかもワクチンも充分でないと報道されれば不安も増すというものです。


今回の新型に限らずインフルエンザに罹ると重症化しやすい人がいます。持病(腎臓病・糖尿病・心不全・喘息・抗癌剤免疫抑制剤を使用中の人・・・など)がある人や妊婦さんですよね。これらの方は体内でウィルスが急速に増殖しやすいため注意が必要ですし、早めに治療する必要があります。産婦人科学会が妊婦にタミフル使用を推奨する理由がここにあるのです。


とは言え、普段健康な人ならば通常以上に恐れる必要もないかと考えています。もちろん免疫がないわけですから罹る可能性は例年より高いでしょう。でも病原性の強さや今までの発症者の経過を考えれば、諸外国並みに自宅安静(しかもタミフルなども使わない)で対処可能ですね。


ワクチンの輸入をM厚生労働大臣は言っていますが、海外でも不足するはずのワクチンを輸入すれば国際的な非難を浴びるでしょう。厚生労働省がするべきことは、正確な状況の把握及び広報と正しい情報の提供です。


さて新型インフルエンザによる脳症ですが、冒頭にも書いたとおり例年の季節型インフルエンザに比べ罹患率が高いとの計算には今現在なっていません。したがって小さなお子さんをお持ちの方でも必要以上に心配する必要はないのですが、医師の診察を受けたときに脳症のサインが出てなければ通常の治療だけで帰されますから、保護者が脳症の初期サインに気づくことが重要と思います。


インフルエンザ脳症とは、頭痛・けいれん・意識障害などの症状で始まります。比較的希ですが、急激に重症化する事があり、注意が必要です。牛黄は、これらの症状を抑える働きがあり、手元にあれば必ず役立つと思います。子供用の”小児用ブリル内服液”が当薬局にあります。2才前後をピークとし、5才までの小児に多く発症していますので、小さなお子さんのいる家庭では注意して観察してください。


脳症の発症サインは「いつもと違う言動」です。例えば、
▼突然関係ないことを言う▼「こわい」「回る」など異常な言葉を話す▼意味不明なことを言う▼視点が定まらないなど視覚の異常▼無表情、反応が鈍い▼泣き方ぐずり方が普段と違う▼しゃべらない、返事をしない▼眠ってばかりいる▼手足に力が入っていない▼おびえる▼興奮する▼奇声を発する▼暴れる・・・などの普段と異なる言動が見られたら、脳症を疑って医療機関を緊急に受診してください。


ホームページに新型インフルエンザのページを作ってあります(下にアドレスがあります)。強毒型のH5N1を想定したものなので、あそこまでやらなくてもいいのですが参考にしてみてください。脳症のサインも追加しておきました。脳症のサインは重要ですから、知り合いの方にもアドレスを教えていただければ幸いです。

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