情報の質も重視しよう

今年も残り約半月で、来年の話をするにはチト早い気もしますが来年は名古屋での学会が2回あります。実は車で行こうかと考えているのです。疲れますが学会会場までの交通費もバカにならないので、高速1000円を有効に活用したいと思うのです。


時々”○○はガンに効く”って本当ですか?と言うような内容の質問を受けることがあります。世の中色々な情報が出ていますから、先ず情報源を確認してから答えるようにしています。大抵は商業主義に乗った非常に低いレベルの情報なのですが本人は真剣なので、傷つけないように慎重に言葉を選びながら理解できるように答えています。


今の医療界はEBMが標準です。EBMとは誰が治療しても同じような結果になることを目的としていますから、どこでも誰でも同じ質の医療を受けられるという点で優れた方法です。一方で誰でも同じ条件ではないので個性が無視されると言う欠点もあります。


この正反対に漢方医療は位置しているかもしれません。もともと一人一人の違いを重視して漢方薬を選びますから、EBM全盛の医療とは相容れない部分があります。でもEBMに基づいて6〜8割の方が改善しても残りの2〜4割の人にはオーダーメイドの医療が必要になります。


このオーダーメイドの医療とは、この人にはAが効いた、別の人にはBがよかった、のレベルです。これを学会なので報告すると事実であっても情報の質というレベルでは決して高くないのです。”○○がガンに効く”が、このような症例を一般化しているのか、あるいは試験管レベルでガン細胞を殺したのか、動物実験なのか、ここが大事なのです。


ガンに関しては私ら漢方家は相談を受ける機会が多くあります。薬局に相談に来るケースでは、ある程度進行していることが多く生存率が高くないことも珍しくありません。ですから質の低い情報を元に相談にのるような時間的ゆとりはないと私は考えます。


巷では癌ビジネスとでもいえるような怪しい商品がゴロゴロしています。私らのところにも営業が来ます。その時に、私らは商売として利益を優先に考えるのではなく、医療人として情報の質を確かめて吟味しなくてはいけないでしょう。そのために資格を与えられていると私は理解しています。


付け加えるならば、質の高い情報は1〜2年の短期間で消えるようなものではありません。あなたの周りで、ブームになりながらも今は全く聞かない商品がたくさんありますね。ほとんどが(残念ながら全部ではないのですが)情報の質が低いものだと言うことですね。少なくとも私は短期的なブームの商品は扱わないように情報を吟味してゆきたいと考えています。

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