なるほど、多汗症

26日に参加してきた皮膚科心身医学会。いろいろ新しい知識を入れてくることもできましたし、医師・薬剤師の立場を超えて志を同じくする知人との再会や情報交換も有意義なものでした。

特に、いつも参加している講演会は、スポンサーに製薬企業がついているために、どうしても製品宣伝的な資料が入ってきます(講師によって多寡はありますが・・・)。それに比べ、スポンサー色のほとんどない学会では、純粋に学術的な情報に触れることが可能です。多汗症のような疾患は製薬企業にとっては利益の取りにくい分野ですから資金提供には及び腰なのです。

重度の多汗症については、ボツリヌス毒素を用いた治療や交感神経切除などが行われますが、軽〜中等症では、ほとんどはイオントフォレーシスか塩化アルミニウムを用いた外用治療です。塩化アルミニウムは病院でも院内製剤として処方されることもあるかもしれませんが市販品もあり、講師の東京医科歯科大皮膚科横関教授は○○(当薬局でも扱いあり)を紹介しているとのことで、「重症以外は、薬局も大学病院も違いは余りない」と思ったりして・・・。

ただ、問題は使い方。効果的に使うには、やはり成分を十分な量で長く皮膚に作用させることが必要です。いろいろな方法を紹介されながら解説いただきました。塩化アルミニウムによる接触皮膚炎を防止するためにも注意しながらアドバイスすることが薬剤師の技術になりますね。交通費・参加費などを合わせると2万円以上の費用をかけましたが、学会参加の意義は費用以上の収穫があることだと思います。

ところで、○○の塩化アルミニウム濃度は13%くらい。一方、当薬局にはオリジナルの○○○と名付けた製品があります。この塩化アルミニウムの濃度は20%で、○○の1.5倍ですから○○以上の効果が期待できます。横関先生も20%と50%を治療に用いていると話されていました。

手のひらや足の裏やわきの下などは、塩化アルミニウム液を塗ることで対処できますが、問題は顔や頭などの薬を使用しにくい部分です。汗の管(汗管といいます)の数や分布には、多汗症の人と健常人で違いはないとのことですが、発汗は脳の前頭前野の興奮と関係しているそうで、この対応は聞き漏らしたかもしれません。一般的には、安定剤の処方が行われています。私は、漢方薬の出番があるように思います。また、自律訓練法にも十分期待が持てます。

どちらも頭部の血流を抑えるような効果が認められますからね。ただ、漢方薬はあくまでも体質が個人個人異なりますから専門家に相談されるほうが確実だろうと思いますし、自律訓練法も方法が単純ながらも自律訓練学会の会員や自分で経験した人でないと微妙なコツを伝えることができないように感じます。

軽症例も含めると、決して少なくない人数の方が多汗症で悩んでいます。ネットで見て○○を買っていかれる方が多いのですが、より効果的なアドバイスを提供するよう心掛けたいと思いました。また、効果に満足いかないケースでは、より専門的な視点でアドバイスできますので、漢方相談や自律訓練法のマスターも含めて、ご相談ください。


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