慢性の痛みに

先週の連休は、日本家族研究・家族療法学会に出席のため神戸にいました。梅雨明けしてない頃だったので、天候が一番心配だったのですが、運よく1滴の雨にも合わず学会期間を過ごすことができました。とは言っても、学会は建物の中なので天候は関係ないのですが・・・、でも悪い天候よりは気分が違います。

今回も多く治療法やのアイデアとの出会いがありました。純粋に心理的な病気ではありませんが、痛みはかなり気分に影響を与えます。そして、気分が悪いほど痛みも悪化するという悪循環に入ります。今回のシンポジウムでは整形外科医からの発表もあり、整形外科医が日々いかに「痛み」と闘っているかを垣間見ることができました。極端な例かもしれませんが、紹介されたケースは痛みのコントロールに満足できず自殺されています。この部分には、心理学的に、あるいは家族療法的に介入できる点もあるのですが、「痛みによる破局的思考」は決して特別なことではないはずです。

痛みに使われる薬は、代表的な鎮痛剤だけでなく安定剤や抗てんかん薬や麻薬など多くの種類があります。ただ、それらを使っても上手くコントロールできないケースが多くあることは、整骨院や整体・カイロプラティック施設の混雑ぶりを観れば容易に理解できます。また、グルコサミンやコンドロイチンのTV宣伝などを見てもわかりますよね。

当薬局では、漢方相談を行っているため整形外科の治療に満足できない方などが来局されます。今日も帯状疱疹後神経痛(PHN)や痛風の相談がありました。帯状疱疹後神経痛は、なかなか治療が上手くいかないことが多く4〜5年前に発売されたプレガバリンで流れは変わってきたかに思うのですが、今日来られた方はプレガバリンでも聞かず漢方薬で改善に向かっています。

そして、何を試しても痛みが落ち着かないケースでは、心理的な面から治療法を考えることも必要です。確か、昨年に出た「腰痛診療ガイドライン」でも、慢性腰痛には認知行動療法などの心理療法が紹介されていますし、その効果についても何度かテレビ等で紹介されていました。

先ほど紹介した自殺にまで至ったケースでは、家庭内でのコミュニケーションも悪いようで、常に「痛み」を意識する生活が続いていたようです。私も薬剤師ですから、やはり薬物治療を中心に考えますが、その痛みを総合的に考えないと「慢性痛」は上手く対処できないと思われます。やはり痛みの多くは、ストレス病としての認識と対応が必要なのでしょう。これは薬局においても同様ですよね。特に、当薬局みたいに、「〜で満足できなかった」「〜は効かなかった」などと、漢方薬に救いを求めてくる場合は、漢方的な体質を真剣に考えることとともにメンタルケアにも配慮しなくてはと感じました。

ちなみに、漢方的には、冷えによる痛み、血行不良による痛み、水分代謝不良による痛み、などに分類し適切な漢方薬を選定することになります。


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