コミュニケーションの重要性

新潟県、ようやく梅雨が明けました!あまり目立った集中豪雨はなく、空梅雨気味の今年の梅雨でした。でも、長崎県佐世保で起きた事件には、心が曇ってしまいます。なんとも痛ましい事件が起きましたね。まずは亡くなられた少女の冥福を祈るとともに、関係者の心の傷が大きくならないことを願います。

極一部の病気を除いて、ストレスはほとんどの病気に関係します。例えば風邪をとっても、ストレスの多い状況では免疫力(あまり好きな表現ではないのですが・・・)も下がり、容易に風邪をひきやすくなることは誰しも理解できることでしょう。
以前ストレスとは利祖と現実のギャップだと書いたことがあります。特に多いのが、対人関係における理想と現実、言い換えれば期待と結果でしょうか。

「あの人がこのような行動をとってくれたら・・・」(これが期待です。大抵は自分にとって都合の良い結果を求めています)と考えても、現実には期待通りの行動をとってくれないことが、「期待外れ!」となり理想と現実のギャップが生まれてイライラするストレスの原因になります。「もう少し早く起きてくれたら・・・」「食事がいらないなら早く連絡くれればいいのに・・・」「きちんと片づけてくれたら・・・」「仕事を手伝ってくれたら・・・」・・・キリがありませんね。

人はコミュニケーションの動物です。思春期の子供は反抗期と言う大切な発達過程にいるため、親子のコミュニケーションが難しいことも十分理解できますが、知らず知らずのうちに腫れ物にでも触るようにそっとしているのでは?これって、コミュニケーションが無い状態ですよね。せめて、挨拶くらいはしてもいいでしょう。これが面倒くさいのも十分理解しているつもりです。でも、この基本的なコミュニケーションがお互いに重要なサインを送っていることも事実です。容疑者の少女は、どうだったのでしょうか?気になりますね。

さて、ほとんどの病気でストレスが関係している(関与の割合は千差万別です)とすれば、やはりコミュニケーション能力を磨くことは現在を生きる私たちには必要なスキルです。心理相談を始めて、さらには家族療法に出会ってからは尚更、その感を強く思います。今回の家族研究・家族療法学会に参加して「オープンダイアログ」という手法と出会いました。これは引きこもりなどにも使われる手法ですが(まだ詳しく知らないので間違っていたらごめんなさい。改めて訂正します。)、基本的には相手の発言を否定したりしないという単純なルールで行われます。承認ですよね。ところが、この承認が簡単に得られないのが普段の日常ではないでしょうか?家庭でも然り、会社や学校では更に然り。

承認されない人は、自らの承認欲求を満たすためにアクションを起こします。ある人は悪戯や失敗を意識的・無意識的に、、またある人は心の病に、別な人はいわゆるストレス病に。
漢方相談をしていても、「治りにくいだろうなぁ」と感じるケースは、コミュニケーションの希薄なケースです。もちろん、あの手この手で気づきを促し、なんとかこちらのルートに乗せようと試行錯誤しますが・・・。

突き詰めれば、コミュニケーションの練習は家庭で多くすればいいのです。失敗しても、大きくこじれることはあまりありません。でも、冷えきった夫婦では難しいかもしれませんが、冷えきる前に向かい合ってコミュニケーションするといいのです。今日も、コミュニケーションの改善が重要なケースを経験しました。私の話の8割をコミュニケーションに費やしました。でも、本人の悩みは一兆の調子が悪いことと耳鳴りです。

家族療法と言っても、特別なことをするわけではありません。いくつかの効果的な治療法やテクニックを使うことは当然ですが、家族療法は、悩みの原因をその人本人だけに帰すわけではありません。ですから、例えば本人が来れないような引きこもりのケースでも相談に来た家族(普通はお母さん?)に介入することで変化を生むことができると考えます。オープンダイアログやACT(アサーティブ・コミュニティ・トリートメント)などの新しい技法も誕生し取り入れていきますが、基本的な介入法に大きな変化はないと感じます。ただ、どの部分を集中的に扱うか?がその特徴と言えるのではないでしょうか。

認知症の問題行動を解決する方法として、ユマニチュードが注目されています。このコミュニケーション技法には学ぶべき点が多々あります。なにしろ普通の会話が成り立ちにくくなってくるのが認知症ですから、認知症の人と対話する技法はあらゆる場面で役に立つのです。でも基本は、承認ですから、人は承認を求める生き物だと思って行動すれば、ひょっとして病気の何割かは減少させられるのではないかとも考えます。



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