ガン・糖尿病と体内環境

先週の会合で大学時代の同期に会いました。数年ぶりの再会だったのですが、「Nさんが子宮がんで亡くなったんだよ。骨盤骨折が原因でm使ったときにはかなり進行した状態だったらしく、入院して2〜3週間で亡くなったの」と。年賀状での再会を約束していただけに、また同年齢ということにショックを受けました。がん・ガン・癌・・・私なりに何ができるかわかりませんが、母親も癌だっただけに一生のテーマです。

ネイチャーという科学雑誌に興味深い論文が出ました。「人工甘味料の摂取で血糖値が上がる」というもので、通常は砂糖や果糖などを制限して血糖値の上昇を防ぐために補助的に使われるノンカロリーの甘味料が、逆に血糖値を上げることになっていたとは驚きです。
イスラエル・ワイツマン科学研究所のEran Segal氏らの研究では、腸内細菌がこの結果に関与しているらしく、抗生物質や腸内細菌の移植などの方法でマウスの腸内細菌を変化させると、血糖値が変化すると言います。
ヒトでも確認したところ、同様に人工甘味料を長期間使用している人で空腹時血糖の上昇がみられやすく、耐糖能も異常を示しやすいことがわかったとのことです。

腸と免疫系、腸と脳神経系、腸とアレルギー、腸と発がん、・・・など。食品によって腸内細菌のバランスが変化することから、普段の食事にもっと注意を向ける必要があります。昭和薬科大学を退官された田代先生は、漢方薬の服用によって腸内細菌が変化することで漢方薬が数日後に効いてくると説明しています。この説明は、「漢方薬が後で効いてくるのはなぜか?」に対する答えですが、腸内細菌の変化は、病気になったり薬が効いたりすることと密接な関係があるのです。
今回は、糖尿病などの生活習慣病との関係も見えてきました。

さて、先日NHKのスーパープレゼンテーションを見ていたら、癌化した細胞(いわゆるガン細胞)の環境を変化させたら正常な細胞に戻ったという内容を放送していました。ガンに関しては、分子標的薬の登場だけでなく、ガン肝細胞の発見など新しい成果がどんどん出ていますが、薬局で漢方薬を求めてくる人に対して何ができるか悩むことが多かったのです。この内容は漢方薬や食事やメンタルヘルスなどで、体内環境を変化させることで癌を治せる可能性があるとも考えられます。この考えなら、下ルソン療法をはじめとした食事療法やサイモントン療法などの心理療法で癌が消えたとの事実に対し納得することができますね。

今後は、この事実を如何に実際の臨床に役立てるのかを考える番です。iPS細胞も実用化に向けていろいろな研究がされています。基礎研究を実際に活用して、はじめて役に立つ研究となります。薬剤師としてできることは限りがありますが、希望を感じられるニュースでした。


漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
http://www3.ocn.ne.jp/~hirohasi/

過去のブログの主なものはホームページにリンクを貼ってありますから、見たい記事がありましたら《ひろはし薬局のホームページ→過去のブログ》から探してみてください。(現在の更新はしてませんが・・・)
  あるいは⇒http://www3.ocn.ne.jp/~hirohasi/sub6.htm

メールは《Re:タイトル》でお願いします。メールマガジンの申込も随時受付中
     ⇒hirohash@seagreen.ocn.ne.jp

薬事法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。お知りになりたい場合は、直接ご連絡ください。

講演の依頼に関しては、ホームページに掲載してある講演内容を参考にして、お申込下さい