抗不安薬の依存を減らすには

今日は穏やかな良い天気です。来週の予報はあまり芳しくないので貴重な1日ですね。某メーカーの営業さんが言ってました。「初めて新潟に来た年は、うつ病になるような気分だった」と。秋田県新潟県など日本海側の件で自殺率が高いのは、このような気候とも関係しているように思います。そして、それを耐えてきた新潟県人気質も関係する場合もあるかと。このような考察を加えて来年の東洋心身医学研究会に発表を申し込んであります。(まだ採否の連絡はありませんが・・・)

安定剤、抗不安薬としてのベンゾジアゼピン系薬(BZ薬)は日本では突出して使用量が多いと、海外では批判されています。でもBZ薬の代わりに抗うつ薬抗精神病薬が使われていれば、批判するに値するのか疑問の部分もあります。問題になるのは安易に使われる場合であり、本当に必要があればやむを得ないと思うのですが・・・。でも実際には、安易に使われ、しかも漫然と処方され、残念ながら依存状態に陥っている方も少なくないようです。ただ依存の評価の仕方も専門家によって違いがあるようで、単純な比較は全く意味がありません。ここでは厳密な定義はさておき、いわゆる一般的な依存状態として話をすすめます。

先日、パニック様の動悸が時々現れる方が漢方相談に来ました。話を聞いてみると、漢方薬を処方されているものの、効果を実感していないようでした。頓服として出されたBZ薬もありますが、飲む気にならないと。心療内科学会に入ってサイコセラピーをいろいろ学んだ今は、いろいろなアプローチがあることを説明し、動悸などの身体症状の起きる仕組みを解説しました。漢方薬然り、サイコセラピー然り、自律訓練法然りです。

途中涙ぐむ場面もありましたが、これだけでかなり落ち着きが得られたらしく、ひょっとしたらサイコセラピーの世話になるかもしれないと帰られました。今月参加した研究会で中島央先生からソリューション・フォーカスト・アプローチ(SFA)の一端を教わってから、私の相談は大きく変わったように感じます。1回の面接で、ある程度満足される方が増えているのです。だから、この方も漢方薬の必要性を感じず・・・。(以前なら、何か別の漢方薬を出していたはずですから)

なんとなくですが、この方はパニック様の状態になる回数が減ると思っています。もし動悸が起きても以前のように不安にはならないでしょう。だとしたら、抗不安薬は必要ないですよね。一部の医師があまり保険点数にならなくても頑張っているだけで、多くの医師ももっと診察時間があれば今よりも抗不安薬の処方は減るような感じがします。いろいろな制度の関係で急な変化は望めないにしても、自分の身体で何が起こっているか、それは気にしなければならないサインか、放っておくとどうなるのか、・・・などの疑問や心配に答えるだけでもかなり違うのですがねぇ。

抗不安薬の依存を減らす一番の方法は、薬を使わないことです。つまりきちんと説明すること。そしてその説明をきちんと評価することです。ネットで得られる情報は膨大なものがありますが、個人の問題を解決するのには膨大過ぎて消化不良を起こします。だから専門家が必要なのでしょうね。そして、うつ病なら抗不安薬で誤魔化さずに抗うつ薬を使う方が治療効果は高いので適切な診断が必要です。医師でない人はセカンドオピニオンとして別な医師の評価を受けることも一つの方法でしょうね。
また、他に使える効果的な薬や方法があれば、いいわけです。私のところでは漢方薬を使うこともありますし、実際に減薬にも成功しています。また自律訓練法睡眠導入剤抗不安薬の減薬や離脱に成功した報告が多数あります。他のサイコセラピーももちろん有効でしょうね。またリラックス法として馴染みの方法があれば、それでも構いません。

依存を減らす方法として、いろいろな方法があること、そして離脱や減薬は可能であることを知っていてもらえればと思います。でも、今飲んでいる方が、このブログを見て急に服用をやめることは逆に離脱反応などの危険性もありお勧めしません。上手に使えば、安くていい薬が多いのもBZ薬の特徴だからですね。



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