乳腺症と漢方薬

バタバタが終わって、ちょっと一息。と言いたいところですが、雪が週末に降る予定で、いよいよかなぁと落ち着かない日々です。先週末の心療内科学会と今月の漢方勉強会の資料作りと皮膚科心身医学会の発表抄録提出が重なって、頭はパニック状態でした。とりあえず全て提出すべきものは終わったので気持ちは多少楽になっているのですが・・・雪が!
今回の心療内科学会では、ガン患者に対するサイコオンコロジー摂食障害を中心に聞いてきました。頭を整理してから別の機会に書き込みたいと思います。

一般に50歳以上はガン年齢と言われます。しかし乳がんは比較的に若い女性でも珍しくない印象があります。また乳房は自己検診がしやすいこともあり異常に気が付きやすいことから、しこりの発見でビックリすることも多いようです。その場合、病医院で診察してもらうと乳がんの可能性があるかどうかチェックされ、可能性がなければ「乳腺症」との診断が下ります。医師によっては「異常なし」と告げる方もいるようですが、しこりや痛みがあるのに「異常なし」では納得できないのが普通の心理ですよね。でも、このような状態で「乳腺症」は使われているのです。

異常なしの根拠は、病的なものではないという意味なので、特別な治療がされることは少なく、このことがさらに不安をあおることにつながっています。ですから時折、漢方薬を求めて来局される方があるのです。
どんな漢方薬を使うのか?薬事法の関係で具体名は挙げにくいのですが、しこりをほぐす作用を利用したり、乳腺との相性の良い漢方薬を選ぶことが多いでしょう。冷えや血行との関係も深いものがありますから、日常生活にも気をつけましょう。

そして、その効果に関しては比較的有効性は高いと感じています。ほとんどのケースで1か月以内に何らかの変化を得られており、漢方薬による満足度は高いと言えるでしょう。
ただ、中には乳がんが混じっているケースがありますから一度は医師の診察を受けるようにしてください。また、乳腺症がガン化することはないようですが、別の部分にガンが発生する可能性もありますから、定期的な診察も必要です。

漢方を勉強しだすと何でも漢方薬で治るような錯覚が現れやすくなります。でも危険なのはレッドフラッグと言って、見逃すと致命的な疾患です。特に我々薬剤師は知識はあっても法的に診察ができませんから、自惚れることは慎まなければなりません。でも漢方薬を使うことで、対処法のなかった症状にも対応ができることも事実です。その結果、痛みやだるさなどの不快な症状も減り、日常生活の快適度(QOL)が向上します。

最近「健康寿命」という言葉をいろいろなところで見聞きするようになりました。辛い症状を抱えている期間は病気ではなくても「快適」とは言えないでしょう。漢方薬を使ったりカウンセリングなどで気持ちを軽くすることは、「快適寿命」を延ばすことになると思うのです。快適な生活を送るための「幸せ作り」を研究したいと考えています。


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