風邪・インフルエンザが治る力

今、外を見ると雪の降り方がすごいです。この調子で降ったら明日は相当積もっているんでしょうなぁ・・・。この時期、外出に使い捨てカイロを使用される方も多いと思いますが、低温やけどにはくれぐれも注意ください。治り難いですからね。

さて、11月に参加した心理療法の研究会で「クライアントには治る力があって、勝手に治っていく」という趣旨の話を聞きました。聞いた時は、ふ〜んって感じだったのですが、最近なんとなくこの意味が解ってきたように感じます。うつ病や不安症など心の病で私らのところに相談に来る人には、治る力がないから来るように思っていた部分もあるのですが、今はやっぱり治る力はあると思いますし、治る力を邪魔する何かもあるんだと思っています。だから、私らカウンセラーは、その邪魔しているものを外してあげると(外す手伝いをしてあげると)自然とクライアントは治って行くのですね。

漢方では、自然治癒力を大切にします。でも、いつしか私が治すと、肩ひじ張ってガムシャラになっていたようでした。心だけでなく、身体の病気でも、治る力を邪魔するものがあれば外してあげるだけですね。医療の進歩とともに、この治る力を私たちはいつしか忘れているように感じますが、いかがでしょう。

抗インフルエンザ薬のタミフルが登場する前までは、インフルエンザは治る力を使って治していました。確かに症状が重い時は、細菌感染には抗生物質・高熱には解熱薬なども使いましたが、これらはあくまで治る力を出しやすいように身体の負担を軽くしていただけで、最終的に治る力により回復したわけです。重症例ならわかりますが、タミフルリレンザに頼り過ぎではないかと思うのです。

発熱は免疫反応を高めることで細菌やウィルスを排除する身体の反応ですが、安易な解熱剤の使用は免疫反応を抑える結果、回復を遅らせてしまいます。ウサギを使った実験では、解熱剤を使った方の死亡率が高かったとの結果が出ています。これは、本来働くべき免疫機構を解熱剤で抑えた結果、細菌やウィルスが致命的に増えてしまったことによります。
普通の風邪では、抗生物質は無効なので不要と専門家は言います。でも不必要な場面で使った結果、身体の免疫系は行き場を失ったのかもしれません。事実、抗生物質の使用歴とアレルギーの増加は関係しているとのデータもあります。行き場を失った結果、免疫系は自分の身体を攻撃対象に選んだと考えれば、アレルギーや自己免疫疾患と言われる多くの病気の増加にも納得が行きます。

ここで今一度、自身の治る力に目を向けてもいいのではないでしょうか。インフルエンザに体質に合わせて漢方薬を使うとタミフルよりも治りが早かったとのデータを北海道の本間先生が出しています。これなどは、漢方薬が治る力を上手く引き出したと考えられるでしょう。
発熱に伴う寒気は、保温のサイン。鼻水・くしゃみは、微生物排除の反応。だるさは、休養のサイン。・・・・・など、身体が治ろうとしているサインや反応に耳を傾け、それを助ければ自然と治ってゆくのでしょうね。もっと、自分の体を信用してもいいのかもしれません。
ただ、持病を持っている方、ステロイドなどの免疫抑制剤を使用している方、乳幼児や高齢者などの虚弱者、これらの方は適切な対応が必要です。

医療とは、治る力を邪魔しないこと。誰の言葉か忘れました(でも、無名な人ではありません)が、医療が進歩して特効薬も登場して、いつの間にか根本的なことを忘れてきているように感じます。
最近、私は風邪に対して販売する薬があまりないように思うのです。解熱剤は頓服程度で十分だし、抗ヒスタミン薬もほとんど不要と思います。去痰剤があれば咳止めもあまり必要ないでしょうし、・・・・・このように考えると治る力を邪魔する薬がほとんどとなります。それでも、温めたり体力を補ったりする漢方薬は、体質を取り違えなければ邪魔しないのかなぁと考えます(多くの場合、取り違えても副作用で片づけられているのが実情です)。

インフルエンザが全国的に流行しています。流行期に入ったこの時期に、貴方の治る力を考え直してみませんか?


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