ウコンとアルコール

爆弾低気圧と寒波の襲来で、列島は大混乱です。本格的な、と言うよりも突然の襲来、と言った方がふさわしい感じの今年の冬です。
暖冬であろうと、冬は冬、気を引き締めて過ごしましょう。忘年会の帰りに凍死、なんて悲劇にならないよう飲み過ぎにも注意しましょう。

その忘年会が真っ盛りですね。TVコマーシャルの影響もあって、ウコンを飲んでから忘年会に臨む人も多いことでしょう。さて、ウコンは効くのでしょうか?何に効いているのでしょう?

アルコールは、肝臓で分解されます。その分解速度は、体重1キロ当たり1時間に0.1g。ですから、体重50キロの人が夜10時まで飲んだとして翌朝8時までに、50gのアルコールを分解できるのです。50gのアルコールは、ビールならおよそ1000ml(大瓶2本弱)、日本酒なら2合弱、ワインならばボトル半分弱、25度の焼酎では200ml(1合強)です。これ以上飲むと、アルコールが残った状態になります。

ウコンを飲むと・・・、この速度が速まるのでしょうか?そんな情報を私は知りません。ただ、ウコンを飲んでいる人は、多分期待して飲んでいるのでしょうね。
ウコンには、利胆作用と言って胆汁の分泌を高める作用があります。この結果、肝機能障害を抑えるのでしょうが、この作用はアルコール分解とは関係ないはずです。強いて言えば、ウコンはアルコールをいっぱい飲んでも、肝臓のダメージを少なくすることができる(強いてないか?)。だから、アルコール性肝炎などの予防には役立つかもしれませんが、二日酔い防止やアルコールの解毒には期待薄なのではないかと思います。

まぁ、信じて飲みたい人には、「止めろ!」とは言いませんが、このウコンで逆に肝障害も報告されていますから注意してください。また、ウコンの種類によっては、含有される鉄分の影響でC型肝炎などの状態が悪化することもあります。今ウコンを飲んでいる人は、肝臓に悪影響があるなんて全く考えていないでしょうけど・・・、真実です。

私の得意な漢方薬はどうか?「二日酔いにいいよ」というものはあります。ただ、アルコールの分解を早めるような報告は、私は聞いたことがありません。
何を飲んで宴会に臨むかは人それぞれでしょう。でも何かを飲んだことで安心感が高まり、普段以上にアルコール摂取量が増えたなら、肝臓に余計な負担をかけるだけです。アルコールには、依存症の問題も付き纏いますから、自分の適量と飲む頻度などコントロールできる範囲で付き合いましょう。アルコールを飲む以上、依存症の影は離れることはありませんから。

余談ですが、アルコール依存症の方が身近にいるなら、仲間内で解決しようとしないで必ず専門家(精神科医臨床心理士・心理カウンセラー)に相談ください。身内で対応(イネイブリング)しようとすればするほど、悪化させるだけです。相談して、まず依存症の家族から楽になるべきなんです。
お酒は、楽しく飲みましょう。



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