慢性化した腰痛の対策

いよいよ明日から4月、新しい生活が始まります。特に変わらないと言う方も、気持ちだけは新たにして4月を迎えましょう。私も4月から地元の新潟薬科大学で非常勤講師として漢方概論の講座を担当することになりました。理解していなければ教えることはできないもの、イザ資料の準備にかかると理解したつもりだったことが意外に多いことか!改めて勉強になります。イヤ勉強をしています。

2〜3年くらい前からマスコミなどでも”慢性腰痛の8割は原因不明”とか”腰痛は認知行動療法心理療法)で治す”などと報道され、今までの慢性腰痛に対する認識がガラッと変わった方も大勢いるのではないでしょうか。例えば椎間板ヘルニアによる腰痛を例にとっても、永久に(いつまでも)椎間板が脱出して神経を圧迫していることでないことは医療者なら常識なのですが、恐らく一般の方にとっては初耳というケースは珍しくないことなのでしょう。ここに慢性化する一つの要因があるように思います。

時々、「AとBとCの症状があるから、私は○○病ですよね?」などと繰り返し言われる方がいます。膨大な情報に触れている現代だから、その気になって調べれば(あるいは調べなくても勝手に)、症状からいくつもの病気に辿り着きます。その結果、「私はこの○○病気に違いない」とか「△△病だから一生治らない」とか「私は◇△病だから、今は無いけどその内に症状Dや症状Eが出てくるに違いない」などと見事な空想を働かせて、自分自身を本物の病気にしてしまう方がいるのです。自分を苦しめる症状の原因がハッキリすれば、適切な対処法がとれるようになりますから、豊富な情報も病名告知も大切なことだと思います。ただし、正しく伝えることが重要なのです!

しかし先ほどの椎間板ヘルニアにしても、《今現在は脱出しているけれども数か月後には消えていることが多い》この大切な情報が抜けて理解されていることが多いのではないでしょうか。その結果、痛みの原因が消えて無くなっていても”痛かった時の恐怖感”だけが残って、記憶(脳)の中で痛みを感じている、このような奇妙な現象が慢性腰痛の8割を占める(全てと言うとかなりオーバーな数字です)らしいと、伝えられているわけですね。過去には安静にして薬で痛みを抑え悪化したら手術、というのが普通でしたが、今は積極的に運動させることが推奨され180度考え方が転換しました。

そこで慢性腰痛に対し”これだけ体操”を提唱している東京大学・特任准教授の松平浩が出演しているNHKの番組を見て、心理療法以外の納得できるアプローチを知りました。偶然にも其の1週間後に松平先生の講演が新潟で開催されましたので出かけて聞いてきたところです。私は最近、肩こりなどに対し運動・ストレッチの重要性を説明しており、疼痛に関しても薬以外の対処法を研究しています。認知行動療法などの心理療法もその一つですが、腰痛に対し身体に働きかけるアプローチを探していたところ”これだけ体操”に出会ったわけです。
講演の中で、これだけ体操でストレッチを加えることで関節の動く範囲が大きくなり”腰痛借金”という椎間板の歪みが矯正され、記憶(脳)が感じている痛みも修正される、というような理論を説明されていました。

また講演後の雑談の中で慢性痛の一つの病態として”神経障害性疼痛”にも触れましたが、下降抑制系という痛みを抑える神経系を含め、まだまだ解明できないことが多く存在しています。いろいろな角度から痛みの研究は進められており、私らも薬剤師としてできることは実行してゆきたいと考えています。
現在、当薬局で提供できる対処法:鎮痛薬(内服・外用)、漢方薬、運動のアドバイス心理療法、など


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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学非常勤講師)
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