「風邪でもないのに鼻水が垂れるんです」

メラノーマ(皮膚がん)や肺ガンなどの免疫治療薬「オプジーボ」の薬価(医療保険の公定価格)が半額に引き下げられることが報道されました。ガンの3大治療、手術、抗がん剤放射線、に次ぐ第4の治療法として脚光を浴びている免疫療法の薬です。この薬の登場によって、今まで治療不可能とされた末期状態の方でも、ガンが消えるなどのケースが報告され、ガン患者にとっては明るいニュースだったわけです。その反面、高い薬剤費から医療財政が圧迫され今回の薬価引き下げが決まりました。オプジーボの登場により、免疫細胞が有効に働けばガンも退治できることが解ったわけです。ただ、「癌 免疫療法」でネット検索すれば無数のサイトが上がりますが、オプジーボのような免疫チェックポイントに作用する治療法とは異なるものがほとんどでしょうから、安易に高額な「免疫療法」にはご注意ください。

さて、今年の秋は急に寒くなったような印象があります。そのためかわかりませんが、インフルエンザの流行が例年より早めに訪れました。インフルエンザの他にもいわゆる風邪も目立ってきました。「あなたの風邪は、熱?鼻?のど?」などとTVコマーシャルでは総合感冒薬の宣伝が流れています。でも基本的に、症状が熱のみ、鼻水のみ、喉の痛みのみ、というように風邪の場合は症状が1つだけってことはありません。発熱だけなら解熱薬、鼻水やくしゃみだけなら鼻炎薬、喉の痛みなら鎮痛薬、のように総合感冒薬以外で対応する方が体の負担も少なく効果的です。

そんなことで、今日は鼻水の話題です。皆さんは、朝起きた時や屋外から暖かい部屋に入って来た時などに風邪をひいているわけでもないのに、透明な鼻水がタラーっと垂れてきた経験はありませんか?特に部屋の湿度が高いところでは、このような状況が出やすいと思いますが……。そして、高齢者になるとこの現象は更に起こりやすくなります。もちろん風邪ではありませんから風邪薬の服用は不要です。

私たちの鼻は、肺の状態を維持するために、空気中のゴミ(ホコリや場合によっては病原菌など)を除き、冷たい空気を温め、乾燥した空気は適度に湿度を与え高湿度の空気は適度に湿度を下げています。ところが、この仕組みも極端な環境では機能が追いつかず何らかの影響が身体に生じます。冷た過ぎる空気やホコリっぽい環境では、空気の通り道である喉の奥が痛く感じますね、これです。そして湿度の高い空気では、湿度を吸収しきれずに鼻水として出てきます。これは簡単に言えば結露現象で、このような時に鼻を触ってみると冷たいことに気づくかと思います。

結露は、窓ガラスのようにガラスが冷たくガラスに触れる空気の温度と湿度が高い場合に生じます。これと同じことが私らの身体でも起こっているわけです。さらに老人であれば、若い人よりもこの現象が起こりやすいようで、失礼ながら「老人性鼻漏」とのありがたくない名称までついているのです。ただ老人の名誉のために付け加えるなら、この鼻水は鼻から垂れてきても元は空気中の水分ですから窓の結露と同じです。寒い日に温かいラーメンを食べると誰しも鼻水が垂れてきませんか?アレと同じです。

結露ですから特別な対策がるわけではありません。でも、鼻が冷えていればこの鼻漏は起きやすいので、鼻を冷やさないようマスクなどでガードすることも一つの方法でしょう。また東洋医学では、鼻は肺と関連が深い器官と考えられ「鼻の冷え=肺の冷え」と解釈すれば、肺を温めるようにショウガ湯を飲んだりネギなどを献立に加えたりすれば良いでしょう。
ついでに言うと、皮膚と大腸も肺と関係が深い臓器と東洋医学では考えてます。薄着で肌を冷やしたり身体を冷やす飲食物の摂取で芯が冷えれば美人でも老人性鼻漏を起こすことになりますから、ご注意ください。

過ぎたるはナントカで、温め過ぎも注意が必要ですが、これからの時期では心配は無用と思いますので身体を冷やさないよう上手な対応を心がけください。そして、運悪く冷やした場合は、冷えた部位により効果的な漢方薬があります。漢方家はショウガ湯のみで勝負することはありませんので、心配な時は早めに専門家にご相談ください。




漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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