今日は全国のあちらこちらで恵方巻を食する人がいることでしょう。今月はバレンタインデーがありますし、食に関連する大イベントが2回もあり一般的に売上の上がりにくい2月の仕掛けとして全国的に成功したケースの代表と言えます。そう言えば、ローカルな話題では、地元長岡の洋菓子屋《美松》のシュークリーム39祭りも2月です。この時期は、美松の包装ケースを持った方によく会います。地元では有名なイベントです。
さて、最近立て続けに男性の方の便秘相談を受けました。中年期以降の新たな便秘では、必ず大腸がんの可能性を考えなくてはなりません。健康診断や受診歴などを確認して、大腸がんの存在を確認できなければ、まず大腸の検査を勧めます。とりあえず、大腸がんの心配がなさそうだと考えられれば、便秘の原因を探すことになります。最近の男性のケースは、全て過敏性腸症候群の便秘型と考えられました。過敏性腸症候群は、腸のストレス病の代表ともいえる病気で、最近は増加しているとされてます。一般的には、下痢型の過敏性腸症候群は若い男性に、便秘型の過敏性腸症候群は女性に多いとされ、下痢と便秘を繰り返すタイプの過敏性腸症候群もあります。
過敏性腸症候群はストレスと関係の深い病気ですから、心身医学的な治療法が効果的で薬物療法と併行して行わないと充分な効果が出ません。私の所でも、通常は漢方薬が中心になり、落ち着いてきたら漢方薬を中止できるように食事やストレス対処法をアドバイスし、ベストは使用薬無しですが最低でも整腸剤などにスイッチできるよう工夫しています。自律訓練法を紹介し指導することも多くありますし、過敏性腸症候群のガイドラインでは催眠療法も取り上げています。
ストレスとあまり関係ない通常の便秘症では、緩下剤が中心になります。でも、先ほどの過敏性腸症候群の便秘型では緩下剤の使用で、腹痛や腹満などの不快症状が出やすいので、便の性状や過去の使用薬などを確認することも重要です。一般的には、大腸刺激性の緩下剤が使われますが、便を軟化させる塩類下剤や繊維を含んだ膨潤性下剤などを、食習慣・排便頻度・腹痛や腹満の有無・排便時の息みの程度・残便感・などを確認して選択したり適宜組み合わせたりします。この部分は、技術としてのサジ加減が要求されます。
そして気を付けたいことに、便秘は便秘だけに留まらないということです。ちなみに手元にある便秘薬の効能を表示しますと「便秘、便秘に伴う次の症状の緩和:頭重・のぼせ・肌荒れ・吹出物・食欲不振(食欲減退)・腹部膨満・腸内異常発酵・痔」となっています。便秘に伴って、あらゆる症状が出ても不思議ではありません。たかが便秘、と侮ってはならないのです。
私が経験したケースには上記の他、頭痛・うつ病・イライラしやすい・口臭・肩こり・吐き気・嘔吐・生理不順・生理痛・不妊症・肝機能悪化・腎機能悪化などがありました。これら病気の全てが便秘によるものではありませんが、多くのケースで便秘を改善させることで症状も軽快しやすいと実感しています。便秘は大腸がんなどの異常がなければ命にかかわるような症状ではないために軽視される傾向があります。しかし、便秘を改善することで日常生活の快適度が上昇することは珍しくありません。
また最近の研究では、腸内細菌叢がクローズアップされ、生活習慣病やがんだけでなくアレルギーも含めた全身のあらゆる病気との関係が解ってきました。ここで、安易に整腸剤や乳酸菌製品やヨーグルトなどの商品に手が伸びますが、数種類の善玉菌を取り入れても体内で増えなければ意味がありませんし、数種類では少なすぎます。腸内細菌叢の効果は、多種類の腸内細菌(善玉菌・悪玉菌・日和見菌)が生存することがポイントです。腸内細菌が通過するだけの摂取では充分なメリットは得られないと思うのです。
そこで、多種類の腸内細菌が生存し定着するために、腸内細菌のエサとなる食物繊維などが必要となるのです。もちろん、食物繊維だけでなく色々な成分がそれぞれの相性の良い腸内細菌と関係しますから、様々な食品を食事から取り入れることが重要と考えられます。ですから、東洋医学では常にバランスを重視しているのだと思います。日本人の傾向として、○○が良いと紹介されるとスーパーから消えるくらい○○中心になります。これでは、○○のメリットも出るでしょうが、マイナス面も出てきます。注意したいものです。バランスの良い食事で、未来の健康を作ってゆきたいものですね。
漢方薬・心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病・不妊症
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局 廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
http://hirohashi-pharma.sakura.ne.jp/ (アドレスを変更しました)
過去のブログの主なものはホームページにリンクを貼ってありますから、見たい記事がありましたら《ひろはし薬局のホームページ→過去のブロ
グ》から探してみてください。(現在の更新はしてませんが・・・)
あるいは⇒http://www3.ocn.ne.jp/~hirohasi/sub6.htm
メールは《Re:タイトル》でお願いします。メールマガジンの申込も随時受付中
⇒8hirohashi@gmail.com
薬事法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。お知りになりたい場合は、直接ご連絡ください。
講演の依頼に関しては、ホームページに掲載してある講演内容を参考にして、お申込下さい
訪問による出張相談にも応じています。
引きこもり・うつ病などのメンタル相談、外見の気になる皮膚病相談、病中・病後など体力低下による外出困難な場合、などに