胸やけとQOL

今週は火曜日の災害医療の講演に始まり、機能性胃腸症逆流性食道炎、本日は漢方薬、土曜・日曜は心療内科学会と毎日続いています。内容は最先端の研究ですが、薬局の相談に役立てられないか考えながら聞いています。


昨日の逆流性食道炎の講師は東北大学の本郷道夫教授でした。私が始めて学会発表した時の大会会長でしたから、親しみをもって参加してきました。私にとっては興味深い内容だったのですが、友人の病院薬剤師にとってはつまらなかったようです。仕事の内容の違いが影響しているのでしょうね。


逆流性食道炎は最近はGERDといわれ、自覚症状は胸やけ・ゲップなどの不快症状です。人によっては胸痛・咳・のどの閉塞感を訴えることもあり、難治性の喘息が制酸剤で治ったなんてこともあったようです。


日常生活の満足度をQOL(生活の質)と表現し、病気があれば日常生活が制限されるのでQOLは下がります。たかが胸やけと思っていたのですがQOLは狭心症よりも低く、日常生活に大きな影響を与えていることがわかります。


適切にGERDの治療を受けた方はQOLが上り「世の中が明るくなった」「魔法の薬のようだ」と表現される方もいるそうです。それだけ我慢していたのでしょうね。認識を改めなくてはいけないと感じました。


GERDの治療は、PPIといわれる胃酸分泌抑制剤が第一選択になるでしょう。他に消化管運動改善剤・H2ブロッカーなどが使用されます。


薬局でもいろいろなタイプの胃腸薬がありますから適切に選べば、世の中が変わるかもしれません。ただ薬局の胃腸薬は成分が複雑過ぎるので、いろんな症状に効くようになっていても処方の特徴に合わせて使い分ける必要があります。


漢方薬は、サイコケイシトウ・ブクリョウイン・シギャクサン・ハンゲシャシントウなどがいいと思います。消化管運動を改善したり胃酸分泌を抑えたりする効果がありますが、必要以上に作用しないのが漢方薬の優れた点だと思います。


申し訳ありませんが冒頭で書いたように明日1日は、心療内科学会が大阪であり夜行で出発しますので朝から臨時休業させていただきます。ご迷惑をおかけしますが、皆様の役に立つ情報を仕入れてきますのでご容赦下さい。


生活習慣病漢方薬不妊症・心の病・皮膚病
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