鼻から入れる内視鏡

東京医科大学病院の河合隆准教授による「経鼻内視鏡の適応と問題点および薬剤起因性潰瘍に対する新たなアプローチ」と題された昨夜の講演。検査を受ける患者さんにとっては吐き気がほとんどなく細くて楽な新しい内視鏡と良いイメージが多いのですが・・・。


あなたは胃カメラ検査を受けたことはありますか?私は今まで受けたことがありません。やはり苦痛があることを聞いていますから極力受けたくない検査ですね。今までの口から入れる胃カメラの太さは10〜12mm、対し新しい鼻から入れる胃カメラは5〜6mmと約半分の太さです。


当然苦痛も少なく細いために鼻から入れることが可能になりました。楽になったのはいいことなのですが、細いためにレンズの解像度が当然低くなっています。つまりクッキリ見えないという欠点を抱えているのですが、医師の技術である程度カバーできますから腕のいい医師に検査を受ければ大丈夫でしょう。


しかし腕が良くても口からの検査に比べ検査時間が2〜3倍に延びるようです。これは細ければクニャクニャすることと口より複雑な鼻を通るということなどが理由としてあるようです。


でも時間がかかっても検査を受けた患者さんの感想は圧倒的に鼻からの検査を支持しています。時間がかかることから集団に行う検診には向きませんが今後更に普及してゆくことでしょう。


もう一つのテーマは薬剤性潰瘍。特に循環器分野で使用されるアスピリンは”血液をサラサラにする薬"として多用されています。意外にもこの薬で症状がなくても胃炎・胃潰瘍を起こしているのだそうです。詳しい結果は現在進行中のMAGIKという研究で明らかになるでしょう。


この潰瘍に対しどのように治療するかが議論のあるところ。1錠6.4円のアスピリンによる潰瘍を治す(防ぐ)ために1錠100〜120円の薬を使うのは医療経済上やはり問題があるかもしれません。それでも心筋梗塞などでかかる費用に比べれば安いという見方もできます。


どのような治療にしろ検査にしろ、メリットとデメリットが必ずありケースバイケースで選択する必要があります。そのことを頭に入れて医療を受けましょう。


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