妊娠と高血圧

妊婦が高血圧の薬を飲む場合は2つのケースが考えれれます。1つは妊娠によって血圧が上ってくる妊娠中毒症のような場合、もう1つは元々別な病気を持っていてその病気によって血圧が上ってくる2次性高血圧の場合です。


チェックが遅くなったのですが8月に製薬会社から安全性情報が出ていました。血圧の薬は5種類以上ありますが、現在使用が増えてきている抗ACE薬・ARB薬という種類の薬で胎児に影響が疑われるケースが報告されています。


その結果妊婦や妊娠の可能性のある女性には使用しないようにとの注意が製薬会社から出ているのです。病気によってはやむを得ず使用するケースもあるでしょうが、医師には妊娠している、或いは妊娠を計画していることをきちんと告げることが大切かと思います。


また最近注目されている特定保健用食品(いわゆる特保・トクホとも称される)のなかにも抗ACE薬・ARB薬と同様の働きで血圧を下げるものがあります。食品とは言え作用が同じことから同様の胎児に対する影響が懸念されます。


具体的商品名は、アミール・リビタ・ラピスサポート・・・などです。これらの特定保健用食品を摂取している妊婦もしくは妊娠を計画している女性は、摂取を中止されることをアドバイスいたします。


ただこれらの薬・特定保健用食品を飲んでいた方が必ずしも全員胎児に異常が出るわけではありません。異常が出る可能性は低くてもゼロでない限りは安全性を優先させるという考え方ですから、即中絶などの判断はすべきではありません。


胎児への影響度も詳しく文献を見ないとわかりませんが、一般的に妊娠週数・服薬期間などによって影響度が変わりますから、心配な方は医師・薬剤師に相談して具体的なアドバイスを受けられるとよいでしょう。


また妊娠中毒症の人がこの記事を見て治療を中断されることは更に危険なことです。あなたとあなたの赤ちゃんを守るためには中毒症をきちんとコントロールすること、その上でより安全性の高い薬剤を使用することになります。

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