この時期のアトピー性皮膚炎の手入れ

皆様、今年にもよろしくお願いします
年明け早々、再決断療法の研修に参加してきました。ここ数年、ひきこもりや不登校の相談が増えてきた感があります。
様々な心の相談に対応するには漢方薬だけでは限界もあり、効果を早く確実にするための方法を模索してきました。
そして、いくつかの心理療法を身に付けるべく勉強してきたのです。その中の一つに再決断療法があります。再決断療法の魅力は非常に短期間に変化が現れるということでしょう。まぁ、再決断療法やカウンセリングの話は別の機会に改めてしたいと思います。

さて、この時期は皮膚が乾燥することもありアトピー性皮膚炎など乾燥性の皮膚疾患は悪化しやすい頃です。
言うまでもなくスキンケアがポイントとなるのですが、医師の多くはワセリンを中心に処方し、その使用感の悪さで敬遠され皮膚炎は悪化しやすいのです。漢方薬を使いながら皮膚の乾燥を改善する方法もありますが、今回はスキンケアを中心にします。

アトピー性皮膚炎の患者の皮膚は、皮脂膜が少なく角質間の水分量も減少しており、これが皮膚炎の発症に大きく関係しています。ですから人工的に角質の水分を補い、バリアの膜を作って潤いをキープすれば皮膚炎の悪化は防げるのです。

まだ議論の余地があるものの、軟膏類の使用量に関してはFTUを基準とした使用量がコンセンサスを得てきつつあります。おそらく、多くの場合で今までの倍以上使用することになるわけですが、ステロイド軟膏のような治療薬と違い、スキンケアの場合は相当使用感が悪くなることでしょう。当然、使用回数が減り、スキンケアの目的が達成されなくなります。

当薬局では、ワセリンの代わりに、薬局製剤であるAEP軟膏(プラスチベースという軟膏基剤にビタミンAとビタミンEを混合した製品)を使っています。ワセリンに比べ、伸びが良く皮膚へのなじみも優れ、使用感は数倍にアップしています。薬は使われてこそ、初めてその効果を発揮するものですから、この使用感の差は効果の差として跳ね返ります。

もちろん、ただ単に皮膚に付ければいいわけではなく、より効果的になるいくつかのポイントもありますが、スキンケアをきちんとすることで、皮膚炎の悪化を抑え改善を促し、結果的にステロイド軟膏の使用量を抑えることができるのです。

あちらこちらと皮膚科医を渡り歩いたり、あれこれ各種のスキンケア商品を試す方が多くいますが、何か肝心なことを忘れているように思われます。きちんと皮膚の構造や生理機能を踏まえた上で、正しい使用方法を行えば意外に早く脱出できるのではと、日ごろの相談から感じています。アトピー性皮膚炎に限らず、専門家から丁寧にアドバイスをもらうことは、ネットやドラッグストアのような手軽さはありませんし割高でしょう。でも十分な効果を出すには、専門的なアドバイスを必要とするケースもあり、そのコストにより私らの専門的知識は常に更新できています。

「高かった」と言われないよう、今年も学会や研修会の参加を通して、最新知識を吸収し皆さんに還元してゆきたいと考えます。よろしくお願いします。

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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
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