過多月経と子宮腺筋症

木々が色づき、数年ぶりに秋らしい日々が訪れたような毎日です。家では庭木の剪定をして冬囲いの準備に入りました。子供の頃は、それなりに楽しみでもあった雪も、今は邪魔な存在です。小雪を願う日々です。その一方で秋〜冬は、私の所属する学会や研究会も多くあります。昨日は、来年3月に行われる東洋心身医学研究会の発表抄録を作っていました。顎関節症の痛みとともに会話が不自由になった構音障害が漢方薬で改善していったケースを報告します。背景には県民性も影響しているようなストレスを抱えているので、そのフォローの様子も交えて発表する予定です。

さて、一昨日、新潟市の婦人科会に参加して「子宮腺筋症の治療戦略」と題した京都府医大大学院・女性生涯医科学・北脇城教授の講演を聞いてきました。漢方相談では女性の相談が多く、そのためにもいろいろな知識の吸収は必要です。漢方薬ですべて解決できるわけでもないので、手を引くタイミングを知る意味でも、子宮ガンなどの重大疾患を見逃さないためにも、知っておく必要はあります。

強い生理痛を伴う病気として子宮内膜症があり、ある程度多くの方が知っていると思います。子宮腺筋症も子宮内膜が他の部位にできることに変わりはないのですが、できる部位は子宮の筋肉の中です。ですから結節型と言われるタイプでは子宮筋腫に似ています。治療は手術かホルモン療法が中心になりますが、妊娠を希望される方には行いにくいと言う欠点があり、鎮痛薬で痛みをしのぐ対症療法が行われます。ただ、子宮腺筋症の痛みはかなり強い場合が多く、鎮痛剤でうまくコントロールできない場合もあるようです。

また、過多月経も子宮腺筋症に伴いやすい症状です。痛みが強くて生理の出血量が多い場合は、一度婦人科の診察を受けたらどうかと思います。以前、出血量が多いとの相談を受け、いろいろな漢方薬を試したものの改善しない方には子宮筋腫が見つかり手術で治ったことがありました。漢方薬が効かないケースには、このようなケースもあります。決して腕が悪いわけではないと思っています・・・・。

北脇先生は、漢方薬も対症療法に入れていましたが、漢方薬成分に関する研究結果を見るとホルモン様作用があることから、ある程度のホルモン療法も同時に併用していると考えられます。この辺りは、婦人科の先生による発表なり論文を期待したいものです。私としては、体質改善ができることに期待しますが・・・。事実、かなり強い生理痛(正確な診断は把握していません)が、漢方薬で改善し、漢方薬を止めても生理痛が治まっている方が何人もいます。刺痛、絞痛、急痛、六十二種痛・・・など、いろいろな痛みを治すと漢方の古典には書いてあり、使用する漢方薬も20〜30種はあるのではないでしょうか。

冷えが原因の人、血行不良の人、胃腸虚弱の人、ストレスが関係する人、・・・、いろいろなタイプがありますから、漢方に詳しい専門家に疏男されると良いでしょう。恐らく、対症療法だけでなく根治療法としても意味合いも漢方薬にはあると考えます。生涯の半分以上を痛みなどの不調とともに送る女性を救う方法が漢方薬にはあると思っています。


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