MERS(中東呼吸器症候群)について

 昨日は「貧血から見つかる血液疾患ー血液検査値から考えるー」をテーマに長岡中央総合病院血液内科部長・岸賢治先生の講演を聞いてきました。鉄欠乏性貧血と悪性貧血くらいしか知らない私にとって、いろいろと勉強になる内容でした。しかし、血液検査の結果を薬局に持って相談する人は皆無なわけです。でも、食事のアドバイスが効果的なタイプと専門家の精密検査が必要なケースは理解できたつもりですので、今後の相談にも活用したいと思います。たかが貧血、でした。

 さて、イヤな予感が現実味を帯びてきました。MERS(中東呼吸器症候群)の拡大が、お隣の韓国で治まりません。しかもMERSの詳細について不明瞭な部分が多いことも不安を感じます。現時点でのベストな対策は「君子危うきに近寄らず!」、そう接触の可能性を極力低くすることだと考えます。

 まず、日本へのMERS上陸の可能性は? MESを発症する可能性のある日本人が既に韓国から帰国しています。今のところ発症していないものの潜伏期を考えると可能性はゼロではありません。行政がチェックしているようですが、このチェックから漏れる人がいることも韓国の対応からは十分考えられます。上陸している可能性がゼロではないとして各自対策を講ずる必要を感じます。具体的には、通常の風邪・インフルエンザと同様のマスク・手洗いで十分ですし、これ以上のことは必要ないでしょう。暑さに向かうこの時期ですから、四六時中マスクをするのは現実的ではありませんから、マスクを常時携帯して必要時に着用することでいいのかなと思います。

 現在、MERS感染は飛沫感染とされています。唾液や鼻水から感染することが一般的だということです。ですから仮に感染者がいても2m程度離れていれば感染しないとされます。ところが、私のイヤな予感ですが、空気感染とまではいかないものの飛沫核感染が意外にも多いのではないかと考えています。飛沫核感染とは、ウィルスを含んだ唾液などの水分が乾燥して飛沫よりも小さな粒子になったもので2m以上に感染範囲は広がります。しかもエアコンが必需品となる今後は部屋全体・建物全体に拡散する可能性もあるのではないでしょうか。イヤな予感で終わることを願いつつ、用心だけはした方が良いでしょうね。

 感染者への対策ですが、これは全くわかりません。と言うのは詳細が分からないのでコメントしようがないのが正直なところですが、致死率も高い故ある程度想像の上で、方向性だけは示したいと思います。今現在サイトカインストーム(免疫の暴走)も言われているものの、高齢者や持病のある人(いわゆる免疫力の低い人)も死亡リスクが高いとされています。これは、免疫が高い人はサイトカインストームで、免疫が低い人は病気が進行して、どちらも結局は死亡すると言うことです。恐らく、個人差を考慮する必要性が重要だと言い換えることが出来るでしょう。時々刻々と変化する症状に対し、タイムリーに対応してゆくこと以外になさそうです。ですから一般的な対応(あるいはマニュアル化した対応)ではミスを起こす可能性が上がると思います。

 感染者にはICU並とまでは言いませんが、厳密に管理することが必要でしょう。免疫の暴走とショックの予防管理をしつつ感染者の体力を保ち回復を待つ、積極的な消極作戦がベストなように感じます。もっとも、感染者の詳しい情報を持たない一薬剤師の想像ではありますが・・・。
漢方では、日本で一般的な『傷寒』としての観方よりも『温病』としての観方の方が向いているのかもしれないとも思いますが、これも想像です。現時点では、想像でしかお伝えできないもどかしさがあります。
それでも、このブログを書くために、厚生労働省国立感染症研究所・東京都感染症情報センターの各ホームページを確認しています。今後も新しい情報を入手しながら、お伝えしたいと思います。

 ですから、ベストな対策は? 「君子危うきに近寄らず!」作戦ではないでしょうか。



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