気になる《しみ》への対策

今週は、親戚のお通夜からのスタートでした。仏になられた方は102歳のおばあちゃんで、耳こそ遠くなったものの認知面の低下もほとんどなく、身の回りのこともほぼ自立し、徐々に食が細くなり老衰で最期を迎えました。見事と言うべき最期だったと思います。理想ではありますが、100歳まで届かなくてもいいかなと今の私は考えています。「ただ、天寿を全うしたい」それだけですね。この点に関しては、いわゆる寿命(平均寿命)と健康寿命の差が問題視されています。10年くらいの開きが言われますが、実際は60歳や70歳時点での平均余命(この年の人が何年生きられるか)との開きが重要ですから、15年くらいの要介護人生になるようです。これは、とっても不都合な真実ですね。

さて、老化はあらゆる臓器で進み、皮膚では美容面への影響が大きくなります。特に女性は、アンチエイジングと名のつく高価な化粧品を求め、しみ・しわ・たるみなどを元に戻そうと努力しています。そこに少し皮膚科的な視方を加えてみたいと考えます。《しみ》や《小じわ》は表皮という皮膚の一番外側で起きている現象です。一方、《深いしわ》や《たるみ》は真皮という少し深い部分で起きています。ここで皮膚の構造を出したのは、効果にも関係してくるからで、化粧品などが有効に作用するのは基本的に表皮の外側の部分(角層辺りまで)と考えられるからで、《深いしわ》や表皮の奥にある《しみ》や《たるみ》には理論上有効性が低いと考えられるからです。

現在、化粧品にもナノ科学が取り入れられ、今までの常識よりも奥に届くようになってきています。しかし、やはり基本は大事だと思うのです。そうでないと、無駄な努力を続けることになりかねないとかんがえるのですが・・・。

美容皮膚科的な視方で《しみ》を視ると、表皮の奥にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)や出来たメラニンには化粧品よりは薬やサプリメントを飲む方が効果的だとわかります。逆に角層に近い浅い表皮部分には化粧品などの塗るケアが確実なのです。

そこで、実際の《しみ》対策は、他の病気などと同様に、できるだけ早期に始めることですし理想は予防になります。《しみ》の原因の一つとしてとして、紫外線や女性ホルモンがあります。紫外線対策は『日焼け止め』ですが、重要なのはSPFの方です。SPFはUVBのカット力を表す数値で高いほど《しみ》の原因となる紫外線の影響を減らすことが出来ます。日常生活の目安としては30前後で十分でしょう。一方、《深いしわ》や《たるみ》は真皮で起きますからUVAをカットするためにPAを基準にします。++(2プラス)以上を目安としてください。
できた《しみ》や《しわ》を改善するよりは、出来ないように予防的なケアをする方が、何倍も効果が確実ですし、治療や改善策を講じながらも予防としての紫外線対策は並行して行うことがポイントです。

また、女性ホルモンに対しては、やはり漢方薬が一番だと考えます。ですが最近は色々なサプリメントがあり、中には有効なものもあると思いますので専門家に相談しながら使用してみてください。漢方薬の利点は、女性ホルモン対策と言いながらも、血行や新陳代謝を促し、多面的な《しみ》対策ができることです。改めて《しみ》の勉強をしている中で、漢方薬を飲んでいる方から「色白になった」と何人かから言われたことを思い出しました。単に女性ホルモンへの影響があるだけのサプリメントとは大きな違いだと思います。

そして、紫外線や女性ホルモンの刺激からメラニンの合成を少なくするものとしてビタミンCやトラネキサム酸があります。これは表皮の奥にメラニン産生細胞(メラノサイト)がありますので、基本的には薬やサプリメントを飲むことになります。ここでの注意は、サプリメントの場合、品質がピンキリで吸収率や利用率に開きがあるということです。100という量を飲んでもカプセルや錠剤が溶けなければ体内に入る量は0(ゼロ)です。実際にカプセルや錠剤のまま便と一緒に出てきたなんて話もあるくらいですから価格だけで比較しない方がよいでしょう。私はその点で、若干高価になるものの医薬品が確実なのでお勧めしています。

最後は、皮膚の栄養状態を改善し、血行を促し、新陳代謝を促進することで、早めにターンオーバーの流れに乗せることです。いろいろな物がありますから、予算や肌の状態を考慮し、専門家に相談して決定したらいいのではないでしょうか。

余計なことかもしれませんが、果物や野菜のパックは、かぶれの危険性もありお勧めしません。どうしてもやりたい人は、自己責任で行ってくださいね。


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