肩こり再考

日本列島は各地で40度近い気温を記録しています。本当に暑いですね。岐阜の多治見で39.4度、京都でも38度台とラジオで聞きました。来週は、大阪でシステムズアプローチの研修に参加してくる予定なので、この暑さには先が思いやられます。
そして、もう一つの杞憂が来月の家族研究・家族療法学会です。参加したいのですが、日程が稲刈りと重なり時間調整に悩んでいます。もうしばらく悩みながら結論を出したいと考えています。
それにしてもこの暑さ、熱中症に注意が向いていますが、脱水による脳梗塞にも注意が必要ですので、どちらも気をつけましょう。

さて、ごく最近のテレビ番組で肩こりの特集を2番組見ました。一つは肘の痛みから肩こりを感じるもの、もう一つは姿勢のズレから肩こりを生じるものを紹介し、それぞれ解決法を示していました。日本人は肩こりで悩む人が多く、整形外科を始め整骨院・カイロプラティック・整体・マッサージ・・・など多数の施設が巷に溢れています。もちろん薬局やドラッグストアもその施設の中に入っています。でも、いくら人数が多いからと言え、あまりにも治療提供施設が多過ぎないかと以前から疑問に思っていました。

結局は、どこの施設も満足を提供できるレベルではないとの結論に私は至っています。その点では新たな理論を基に解決法を示したこれらの番組は評価できると思います。ただ、肩こりで悩む多くの人に当てはまるかと言えば疑問を感じていますし、根本解決につながるのか?とも考えています。医療人として私が目指したいゴール(大上段に構えるつもりはないのですが)は、もっと普遍的で多くのケースに当てはまる解決法で、しかも特別な道具や薬を使うことのない(つまり誰でもが家庭でできる)方法の提供なのです。

その前に、肩こりを感じた場合に筋骨格以外の病気によっても肩こりが起きることを知っておく必要があります。例えば、肺がんや食道がんなどの悪性腫瘍、心筋梗塞や弓部大動脈解離などの循環器疾患は、私らが相談を受けた時に見逃してはいけない病気になります。また歯周病髄膜炎などの頭部疾患も肩こりを生じることがありますから、整形外科疾患ばかりでなく全身を一応チェックすることが重要だと常々考えています。
一応チェックして筋骨格以外の原因ではなさそうだとなったら、骨や関節、筋肉や腱などの状態を確認します。ここで整形外科医に紹介すべき状態なら、その旨を説明し受診を促すことになりますね。

ただ、私のところへ相談に来る過多の大半は整形外科の受診歴がありますから治療歴や経過を確認するだけで済むことがほとんどです。ただ、内科的疾患などはチェックされてないことがありますので、整形外科以外の可能性は考えて相談に入ることにしています。幸いにして整形外科以外の疾患の可能性を疑うことは今までありませんでしたが、信頼して相談に来た人に対し重大な見逃しはしたくありませんから無駄な作業となっても止めるつもりはありません。

で、私なりに《肩こり症候群》に対する考えを述べます。まず《肩こり》は子供にはほとんどないことから関節可動域が強く関与していると思っています。ほとんどの方が大人になるに従い段々肩を動かす範囲が小さく限られてきます。その結果、頸部・肩甲部・上腕部・背部などにある多数の筋肉でほとんど動かない筋肉がでてきます。動かない筋肉は当然のように凝り固まり《肩こり症候群》のベースが出来上がると思うのです。更に動かない範囲が拡がり徐々に立派な《肩こり》が完成するのではないでしょうか。

このようなことから、私がお勧めするのは肩こり体操なのですが、誰でもわかるのがラジオ体操ではないでしょうか。実際のラジオ体操のテンポは速いように思うので、各自のペースで大きく丁寧に上半身〜頭部〜腕を動かしたら、すこしずつほぐれてくると思いアドバイスしています。そして補助としての天然ビタミン剤を少量だけ使うようにして、モチベーションの継続を計っています。

肘の痛みからくる《肩こり》はこの方法では改善できないと思うものの、姿勢の歪みにも有効だと思いますし、電気を当てたりマッサージを受けたりしている方にも効果的と考えられます。そして、この方法は若い人が将来《五十肩(四十肩)》になりにくい予防法としても充分機能すると考えています。
費用もさほど必要としない方法であるものの、欠点は本人が継続できるかにかかっているので、関節可動域の拡大などの結果を評価しながらモチベーションを維持することがポイントかなと考えています。そのためにも上半身の筋骨格系の解剖をしっかり覚えることが私の課題かなぁと考えています。解剖を理解していれば詳しく説明できますし、理解が進めば実行しやすくなりますからね。

でも、一つ覚えると一つ忘れるので、苦労しそうです。しかし、頑張るしかないですね。



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