今週末は岩手県盛岡市で日本心療内科学会が開催されるので参加してきます。11月も下旬となると、ある程度の寒さを覚悟せねばなりません。ただ、穏やかな天候であればいいなと願うばかりです。当地長岡の里山では紅葉が盛りになってきましたが、盛岡は当然紅葉も終わり頂上に雪を抱いた岩手山が青空をバックに見えたら最高だろうなぁと想像しています。例年のことですが、この日本心療内科学会が終わると本格的な冬到来。年末年始の準備でバタバタする中、風邪などの感染対策、暴飲暴食への注意、脳卒中や心筋梗塞などの予防、などなどお客さんだけでなく自身の生活を振り返りつつ、気をつけて毎日を送らねばなりませんね。
さて、憎めない個性派俳優の阿藤快さんが先日亡くなりました。直接の面識などありませんが、人懐こそうな風貌は独特の癒し効果を感じていました。残念なことですが、阿藤快さんのご冥福をお祈り申し上げます。そして、フランスではテロにより多数の被害者が発生しています。文明が進んでも、力での解決は太古の昔から同じことの繰り返し。進んだ技術を殺戮の手段に使うのでは、文明の進歩とははたして何なのでしょうか?亡くなられた方のご冥福および関係者の方々に1日も早く平穏な日々が戻りますように。
それで、報道などで知った程度ですが、阿藤さんは亡くなる前に「背中が痛い」と言っていたようです。医療関係者なら、阿藤さんの年齢と背中の痛みをキーワードに、致死的な循環器疾患の可能性には気づいていたはずですから、その辺りが残念でなりません。胸部と腹部には多数の臓器が入っています。それぞれに神経がつながっていて脊髄でまとまりながら脳へとつながっています。何本もの神経がまとまることで、混線も生じやすくなります。例えば、パソコンにつながった配線(電源、プリンター、スキャナー、モデム、・・・)を一目見て、どの線がどの機器とつながっているか当てることは、配線が増えれば増えるほど難しくなります。
難しい分、間違い(エラー)が発生しやすくなります。プリンターにつながる線だと思っていたらスキャナー用の線だったりして。この間違いが私らの身体で起きると本来の臓器とは一見無関係そうな症状として感じることになります。これは珍しいことではなく痛みであれば”関連痛”などと表現されます。阿藤さんの「背中が痛い」は、この関連痛だったと思われ、一般の方では心臓や大動脈などの重大臓器との関係を想像することは難しかったのでしょう。”背中の痛み”を訴えて高齢者の相談を受けた場合、見逃すと致命的な症状である心筋梗塞や大動脈解離、頸動脈解離、肺がんや胃がん・すい臓がん・肝臓がんなどの悪性腫瘍、急性膵炎、エコノミークラス症候群などを一応思い浮かべる必要があります。
これらの可能性を疑って、場合によっては病院に送ることを選択します。これらがきちんとできないと安心して薬剤師に相談など出来ないとなりますよね。少なくとも私は心がけてきたわけです。
残念ながら阿藤快さんは亡くなったわけですけれど、60歳を超えたらどんな異常(特に今まで経験したことが無いケースなら尚更)も、重大疾患は念頭に置くことが肝心です。相談する場合は、そこまで考えているかどうかをきちんと確認しておいた方が良さそうですね。ドラッグストアの悪口を言うつもりはありませんが、少なくとも相談するには向かないと思っています。常備薬や日常使用する薬は安く手に入れられるドラッグストアがいいでしょうし、相談する場合はきちんと説明してくれる薬剤師のいる薬局を選べばいいと思います。
大動脈解離の予防策は、先ずは血圧管理です。私らが普段図る血圧は腕で測っていますが、心臓から出たばかりの大動脈弓部の血管には腕以上の血圧がかかっていることを知っておいてください。血圧管理の基本は減塩ですが、運動も重要ですし、最近は身体のあちこちで慢性炎症の存在が臓器障害の原因としてクローズアップされてきています。慢性炎症を少なくするような食事や栄養剤などの補給も大切なことです。慢性炎症に関しては、別の日に述べたいと思いますが、多くの漢方薬は炎症を抑える効果がありますので、そのことも忘れずにいてください。
漢方薬・心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病・不妊症
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
http://hirohashi-pharma.sakura.ne.jp/ (アドレスを変更しました)
過去のブログの主なものはホームページにリンクを貼ってありますから、見たい記事がありましたら《ひろはし薬局のホームページ→過去のブロ
グ》から探してみてください。(現在の更新はしてませんが・・・)
あるいは⇒http://www3.ocn.ne.jp/~hirohasi/sub6.htm
メールは《Re:タイトル》でお願いします。メールマガジンの申込も随時受付中
⇒8hirohashi@gmail.com
薬事法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。お知りになりたい場合は、直接ご連絡ください。
講演の依頼に関しては、ホームページに掲載してある講演内容を参考にして、お申込下さい
訪問による出張相談にも応じています。
引きこもり・うつ病などのメンタル相談、外見の気になる皮膚病相談、病中・病後など体力低下による外出困難な場合、などに