ファーストフードと肌の老化

 関東以西は梅雨入りし、ジメジメした状況が約1ヶ月続きます。新潟県は、いつものことながらワンテンポ遅れての「梅雨入り宣言」ですから、今日も雨が降っているものの梅雨入りはしていません。あまり良い印象がない「梅雨」も、植物にとっては恵みの雨です。草木の緑が鮮やかに映りますので、目の保養や心身のリフレッシュには最適ではないかと、個人的には思っております。そして、新潟美人ともいうように湿度の高い環境は、肌にとっても良い環境なのですね。

 さて、今回は美肌とは真逆の肌老化を探ってみましょう。まず、美肌の条件には5つあるそうですが、わかりますか?
〇うるおいがある 〇毛穴が目立たない 〇キメが整っている 〇ハリと弾力がある 〇シミ・クスミが目立たない の5つです。最初の3つは、肌の水分量と関係してきますので、外側からのスキンケアが重要となります。しかしながら、汗をかきにくい人は保湿効果も充分発揮できませんから、高価なスキンケア商品を使う前に自身の発汗状況を改善することを優先させた方が良いでしょう。

 残りの2つ、ハリや弾力、シミ・クスミは、紫外線による光老化が大きく関係してきます。紫外線量は3月から10月頃まで高く推移しますから、紫外線対策としての帽子・日傘・サングラスなどとともに日焼け止めの使用が重要です。加えて、意外にも重要度が高いのは、血糖値です。ダイエットでは「糖質制限」がちょっとしたブームですが、私たちの身体がブドウ糖をエネルギー源にしている以上、糖質をゼロにすることは出来ません。問題は糖質の摂り方にあります。

 身体の老化に関係する変化として、酸化と糖化と慢性炎症が挙げられます。このうち糖化は、飲食物の摂り方に大きく影響を受けます。絶対量(摂取量)が多ければ、もちろん身体の糖化は進みます(早く老化します)。しかしそれだけではなく、急激な血糖値の変化(血糖スパイクあるいは血糖値スパイクといいます)でも、インスリンの処理が追いつかずに、身体の糖化が進みます。そして、糖化したものを総称してAGE(エージーイー)と呼んでおり、身体のあちこちに生じては本来の機能を妨げるゴミのような存在になります。

 この糖化が皮膚で生じた場合、真皮のコラーゲンやエラスチンという弾力を生み出す線維が硬く脆い線維に変って、ハリや弾力が失われ深い大きなシワができますし、このAGEは茶色に見えることから、シミやクスミとして現れてきます。高齢者の皮膚にシミが目立つのは、糖化によって生じたAGEを見ているのです。ある研究者によるとシミやクスミに対する影響度は、紫外線による光老化が6割、AGEによるものが3割と言われます。ですからAGEを大量に生み出すファーストフードの摂取は、肌の老化を進める食品と言えます。

 実はAGEは身体の中でできるだけでなく食品そのものにも含まれており、食品から直接摂取したAGEも体内に溜まることがわかっています。AGEは茶色い色をしていると言いましたが、基本的に茶色い色をした食品はAGEを含んでいますし、特に焦げた部分には多く存在すると言われます。その点ではファーストフードの摂取は、AGEを直接摂取し、さらに血糖値を急激に変化させることで体内でもAGEを生み出すという二重の悪影響を及ぼしているのです。ファーストフード中心に生活している方は、いろいろな意味で生活を見直した方が良いでしょう。

 肌の老化を進めないために今できることは、紫外線対策に加えて、食事の内容と摂取の仕方に気を配ることです。


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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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