短期終結を目指す漢方相談

 日頃の無理がたたったのか、単に加齢によるものなのか、数年ぶりにインフルエンザ様の症状でしばらくおとなしく過ごしていました。まだ完全復活とは言えないまでも時々出る咳以外は通常の生活を送っています。病気などで体調を崩すと何気ない普段の日常が本当にありがたく思えます。12月に入り1年の振り返りとともにこの体験を相談に活かすように頑張らねばと新たに誓ったわけです。

 最近手に入れた本に「心理療法の本質を語る」(森俊夫・黒沢幸子共著、遠見書房)があります。森は残念ながら57才という若さで他界したものの、解決志向セラピー、ブリーフサイコセラピーを中心に治癒率95%、平均治療回数20回以下と驚異的な臨床能力が紹介されています。その帯に「治療の場合に短期を目指さないのはありえない。だって、辛い状態から1日でも早く脱せないと可哀そうでしょ?」と本文中のコメントが記されています。今、当薬局でも目指しているスタイルと重なるためか、このコメントが頭に焼きついて離れない状態です。

 一般的には、漢方薬は長く飲み続けるものとのイメージが出来上がっていると思います。ただ、「長く」の定義は人それぞれでしょう。数週間から数ケ月、半年、数年、当薬局に来られる方だと、半年から1〜2年程度を想定して来られているように感じます。そこで当初の説明の中で、「3〜4ヶ月を目安に症状の軽快を目指す」ことをお伝えするようにしています。もっと短期間に目標を設定すればよいのかもしれませんが、過去のデータ分析をもとにしています。

 特にこの1〜2年は「3〜4ヶ月以内の短期終結」を意識してきました。一つは、「目の前にいる人の苦しみを1日でも早く取り去ってあげたい」との思いから、もう一つは「いたずらに時間がかかるのは治療者としての怠慢だから」と考えているからです。
 もっと期間を短縮したい思いもありますが、利益を圧縮するこのスタイルに永続性は望めません。先ほどの本の著者・森は心理療法では収入が上がらないからセミナーや研修で上げていると著書で述べています。本来のセラピーでも評価がされるように工夫が必要と感じています。


漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
http://hirohashi-pharma.sakura.ne.jp/ (アドレスを変更しました)

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