2、3日前の新聞で、小中高生の不登校に関する記事が紹介
されていました。文科省の調査によると、22年度は21年度に
比べて不登校者数が22%増加したとのことです。
さて、現状の問題を解決する考え方として、私たちはしばしば
因果論に基づいて原因を探ろうとします。
「なぜ2割も増加したのか?」「何が原因なのか?」などと
探索を始めます。
ただ、近年の傾向から考えると原因がハッキリしないケースの
方が圧倒的に多い印象を私は持っています。この場合、原因探しは
徒労に終わったり、責任を誰かに転嫁(これが正解ならいいものの、
冤罪のように無関係だったら、、、)したりと、あまり喜ばしい
結果にならないのではと私は危惧します。
そこで、家族療法の視点を紹介します。家族療法では、不登校を
その家族の関係性によって、たまたま表面化した現象と捉えます。
たまたまその子の不登校という形で現れただけで、他の誰かが
うつ病を発した可能性もありますし、タバコや市販薬などの
物質使用障害だったのかもと考えます。
ですから家族療法では、家族の関係性に注目して、その関係性が
変化するような働きかけを行います。具体的には親子や夫婦の
コミュニケーションに働きかけることが多くあります。
コミュニケーションの変化に伴い、不登校も自然と解消に向かう
ことがほとんどです。
ただ家族療法に懐疑的な家族や非協力的な家族メンバーがいる
など家族の事情もさまざまですけれど、このような治療法もある
ことを知っておいてもらえたら幸いです。
誤解しないで欲しいのですが、家族療法では「その家族」に
問題があるという視方もしません。不登校になった子も被害者で
あり、家族もまた被害者なのです。
ちょっとしたボタンのかけ違いが、たまたま「不登校」という
形で表面化しただけなのです。因果論では責任を押し付け合う
不幸が起こり得ますが、家族療法は家族メンバーの幸福度を
高める働きもあると思います。
長岡の相談薬局・ひろはし薬局 TEL (0258)37-7551
薬剤師・公認心理師(心理カウンセラー) 廣橋 義和
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