エコノミークラス症候群の怖さ

エコノミークラス症候群肺塞栓症と言うのですが、なぜ怖いのかを先日の勉強会から。


血液は通常血管の中では固まりませんが、ストレスや感染などの病気・同じ姿勢などにより固まりやすい条件が整うと血管の中で血栓という血の塊を作ります。この血栓はモチのような性状だと考えてください。


このモチのような血栓が血液の流れに乗ると、血管の細くなった所でひっかかり血管を塞ぎます。当然そこから先の部分では血流がなくなるわけです。


血管が塞がる病気と言えば、脳では脳血栓や脳塞栓、心臓では心筋梗塞です。これらが大変な病気であることは、わかりますね。


”足は第2の心臓”というように、足の静脈は足の筋肉が動くことで血液を心臓に戻します。飛行機のエコノミークラスのように狭い車の中や自由に身体を動かせない避難所生活では、災害のストレスに加え、持病や感染、水分不足などが重なり血栓が出来やすいのです。


足の静脈に出来た血栓は心臓に戻り、肺動脈を通って肺に移動します。肺動脈では血管は枝分かれをしながら細くなってゆきます。どの部分で血栓が塞がるかは血栓の大きさで変わりますが、血管を塞げばそこから先の肺では血液の酸素と二酸化炭素を交換できないわけです。


太い血管が塞がれば、それだけで呼吸はかなり苦しくなるのです。エコノミークラス症候群はこのように出来るのですが、その死亡率は心筋梗塞よりも高いのです。心筋梗塞が死に直結する病気という認識は、どなたもあるでしょう。心筋梗塞よりも恐ろしい病気がエコノミークラス症候群なのです。


同じ姿勢を4時間とれば足に血栓が出来やすいとの報告があります。中越沖地震で避難生活を送っている方の体調も崩れ出していることを考えると、注意が必要な時期に入っているでしょう。体調管理、適度な水分の補給、ストレス対策、運動などを組み合わせて予防に努めていただきたいと思います。


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