胃酸を抑え過ぎていないか

「酸なきところに潰瘍はない」と言われ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療においては、胃酸の分泌を抑えるH2ブロッカーやPPI(プロトンポンプインヒビター)を使って、極力胃液のPHを上げるのが治療の王道でした。


胃酸は強力な酸性の液体ゆえ、その中では微生物さえも生息できないという常識を覆したのがピロリ菌。ピロリ菌の発見により潰瘍治療に新たな治療法が加わったのは事実ですが、依然として酸分泌抑制剤(H2ブロッカーやPPI)の使用量はかなりのものです。


胃酸は食物の消化だけでなく口から入った雑菌を殺菌する役目があります。ところが酸分泌抑制剤を使い過ぎると、雑菌は胃を通過し腸で繁殖・発病ということになりかねません。事実そのような報告もあり、必要以上の酸分泌抑制剤の使用は考え直す必要があると思われます。


かといって目の前の患者さんの苦痛を無視しろと言っているわけではないのです。酸分泌抑制剤の使用は極力最少にして別の治療法も使いながら苦痛を取り除ければ、雑菌の進入による感染症の発病も防げるのでは考えています。


とくに東南アジアなど衛生状態のよくない地域に出張や旅行で出かける方は、酸分泌抑制剤を極力使用しない方がいいと思います。(重曹を含む胃腸薬も同様)


では、苦痛は何で除くかになりますが、私は漢方薬を使いますね。シギャクサンやハンゲシャシントウ・サイコケイシトウ・ゴシュユトウなどたくさんの漢方薬がありますから、体質症状に合わせてお選び下さい。感染の危険性を下げながら苦痛も軽くすることができるはずです。


皮膚病・漢方薬生活習慣病・心の病・不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
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