昨日のブログでは七草粥を食することで若芽のエネルギーを頂くことを書きました。これらの栄養素とは違うエネルギーを漢方では”氣”と呼び、氣の取り入れる部位を”脾胃”としました。現在の消化吸収の中心となっている胃・膵臓・小腸と考えていいでしょう。
身体を動かす原動力となる”氣”を取り込む脾胃はとても重要で点滴などの技術がなかった時代では生死を分けるほどの重要な部位だったと思います。もちろん今でも重要な臓器です。
近年は腸管と免疫の関係が注目されていますが、アトピー性皮膚炎や気管支喘息などのアレルギー疾患では3〜4割の方で脾胃の虚弱なケースに遭います。脾胃を丈夫にする漢方薬でほとんど回復しますから、消化機能を元気にすれば免疫系の異常も回復することを漢方家は多数経験しています。
私の漢方の師:寺師睦宗先生は胃腸を元気にする漢方薬で不妊症を治した例を多数学会等で報告しており著書にも紹介しています。私も胃腸を丈夫にする漢方薬で不妊症が治った人を経験しており、どんな病気でも胃腸の機能が大切なことに変わりありません。
漢方薬は複数の生薬で構成されますが、胃腸機能を高める生薬がほとんどの漢方薬に含まれています。漢方薬の効果を高め病気の回復を早めるための知恵で、お馴染みの香辛料も使われています。
食べても太れないような胃腸虚弱の人はビタミン剤や栄養ドリンクの前に胃腸機能を高める漢方薬で胃腸を元気にすると吸収が高まり効果的でしょう。同じことは小腸が炎症を起こすクローン病でも言えます。
やせ細った虚弱な人を”ヒヨワ”と言いますが、漢字で現せば”脾弱(ひよわ)”で、文字通り胃腸機能が弱い人を指します。年末からの乱れた食生活で胃腸は弱っていることでしょう。消化のよい温かい献立をよく噛んで、胃腸の負担を軽くして、食物からよい”氣”を取り入れるようにしたいものです。
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