乳児の夜泣き

昨日は近くの丘陵まで2時間ほど散策に出かけてきました。春一番に花をつけるのはオウレンでしょうか。ユキワリソウやマンサクも咲いていました。カタクリは蕾でしたので3〜4日待てば咲き出すでしょう。


うららかな陽気とは正反対に「泣く子と地頭にゃ勝てやせぬ」と言われ、子供の夜泣きに悩んだ経験は親ならどなたもあるでしょう。我が長男は毎日夜9時頃になると突然泣き出し抱いてもあやしても泣き止まず車に乗せるのが一番効果的だったことを思い出します。


あの頃は漢方薬を使おうとの発想には至りませんでしたが、今なら迷わず使っているでしょうね。夜泣きを”肝の亢ぶり”とする漢方の考え方があります。代表的な薬にヨクカンサンやサイコカリュウコツボレイトウなどがあります。


江戸時代(たぶん?)の古書に母子同服と指示があり、母親の精神的な興奮が子供の夜泣きにつながる事を観察して解っていたのでしょう。母親の精神的な興奮も肝の亢ぶりととらえる点に漢方の独特の理論体系がありますね。


この肝の亢ぶりを抑える薬として”宇津救命丸”があります。ゴオウを使用した小児の救急薬として長年愛されてきた薬です。核家族化と西洋医学的知識の流れにあって、使用頻度が減ってきているのは残念ですね。


夜泣きに対し西洋医学的には鎮静剤を使用することになるのでしょうが、乳幼児に鎮静剤を使用することに躊躇する方は多いでしょう。かと言って他に対応する方法を持ち合わせていないのが西洋医学の短所です。(すばらしい長所も多くありますが)


漢方薬はこのような場合にも、身体に負担の少ない対処法を示しています。先に挙げた薬の他にもショウケンチュウトウやカンバクタイソウトウなども使用頻度の高い薬になります。


泣き止まない乳児にカッとなった結果、虐待や殺害に至ったとの報道を見る度に、漢方家として心療内科学会の会員として心が痛みます。何らかの対処の方法が必ずあることを多くの人に知ってもらいたいと思います。


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