時間治療という考え方

昨晩は薬剤師会主催の勉強会に行ってきました。新潟薬科大学の若林教授を迎えての講演でしたが、人気がある教授なのか興味深いテーマなのか、とにかく100名以上の参加がありました。


時間治療とは、1日の身体のリズムに合わせて薬の使用方法など治療法を考える分野です。私はこの考えを30年以上前に知りましたが(高校生の頃)、現在も研究者は少ないようです。新しい学問ではないけれど、薬の使用量が減ることから、研究者にとって恩恵が少ない分野なのかもしれません。


でも研究者にメリットが少なくても、薬を使用する患者さんには少ない薬で効果を高められることから、患者さんにはメリットの多い優しい治療法であろうと思います。


例えば抗癌剤では、がん細胞の増殖が活発になる夜間に向けて抗癌剤を使用すれば、通常行われる日中の抗癌剤使用に比べ、副作用を抑えつつ効果を上げられることが知られています。


高血圧の薬を朝に飲んだり、潰瘍や脂質異常症高脂血症)の薬を夜に飲むのも、生体リズムに合わせた服用法の工夫です。


このように応用してゆくと、薬の使用量が従来の半分程度であっても効果的には劣らないことも充分ありえます。私が目指す部分でもあるのですが、医療界は製薬メーカーからの支援をたくさん受けていますから、現実的には難しい問題なのです。


私達の身体は、1日単位でもリズムを刻んでいますが、1年単位でも大きなリズムを持っています。また年齢や性差によっても、薬の効果・分解・排泄などに違いがあり、少しずつこれらの違いを考慮に入れた治療が行われるようになってきています。


私の漢方相談では、時間・季節・天候など(女性では生理周期)で症状の変化があるかないかを必ず確認しています。これらの情報を元に、どこでも真のオーダーメード医療が行われる日が来るといいですね。


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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
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