心臓を守るために

昨晩は「心臓保護を目的とした高血圧治療」と題した講演会に出席してきました。講師は東京慈恵会医大循環器内科教授の谷口郁夫先生です。先生はなんと長岡出身で同期の医師薬剤師も大勢参加していました。たぶん二次回三次会と盛り上がったことでしょう。


さて高血圧治療は単に血圧を下げると言う時代ではなくなってきています。血圧が高いと動脈硬化性疾患に罹りやすく、脳卒中や心臓病により命を落とすことも多いことから治療されています。


ただ血圧を下げるだけではダメだと言うこともわかり、どのような薬がいいのか、どの程度下げればいいのか、などが多くの研究から明らかになってきました。高血圧に使用される薬の種類は多くそれぞれ特徴があり、合併症の有無・種類によって使い分けられています。


心機能が低下する最終病態の心不全を招かないためには、血圧を下げることは最低条件ですが、ACE阻害薬やARBの評価が高いようです。また一部の利尿薬が最近注目されています。この他にもありますが専門的になりますので割愛しますね。


ACE阻害薬やARBはRAA(レニン・アンジオテンシン・アルドステロン)系に働き水分を排泄する方向に作用します。利尿剤も同様に水分を直接排泄させます。心機能低下などに使用されるブクリョウキョウニンカンゾウトウという漢方薬がありますが、やはり利尿作用を持つ生薬が配合されており心臓保護の働きがあると推測できます。


心臓を保護するとは心臓のポンプ機能を長持ちさせることですから結果的に長生きするための薬ですね。多くの医師は、自分が飲むならACE阻害薬かARBとスタチンを選択すると話していますが、このような理由からでしょう。


同じように血圧が保たれていても飲む薬の種類によって死亡率に差が出るのです。医師の処方に注文を出すのは難しいのでしょうが、気になる人は薬剤師にどのような働きがあるか確認したらいいでしょう。長生きしたい人には漢方薬もおすすめです。


明日は漢方の勉強に仙台に行って来ます。東洋医学会の総会ですが興味深い演題がいくつかありますので、新しい情報を仕入れて皆さんに還元したいと思います。相談がある人は月曜以降にお願いしますね。


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