呑気症状としてのゲップ・放屁

今回の日本心療内科学会は弘前で行われたためか、発表演題数は少なかったように思います。それでもシンポジウムやパネルディスカッションなどにも興味深い内容もあり、行っただけの収穫が得られると考えています。


今日のテーマの呑気症に関する発表も参考になる内容でした。呑気症とは、気づかないうちに飲んだ空気によってゲップや放屁(おなら)・腹満(腹が張って苦しい状態)などの症状の現れる病気(?)です。


この病気は、なった本人にしかわからない苦しみがありそうです。他人には「飲んだ空気でそこまで苦しまなくても!」というのが実感ではないでしょうか。医師側にも恐らく同様の意識があるように思います。


また有効と思えるような治療法(精神安定剤など?)がなく生命に直接関係するような病気でもないために、積極的に研究される医師が少ないのでしょう。


発表者の小野繁によると、呑気はストレスなどで生じた緊張により噛み締め行動が無意識に起こり、その結果呑気に至ると解釈しています。


症状の発生する機構を説明することで患者の不安は軽くなり希望が出てきます。またマウスピースなどを用いて噛み締め行動を減らすことで実際のゲップや放屁などの困った症状を減少させられたと報告していました。


私は”精神的緊張⇒噛み締め行動”を聞いた時に漢方薬が使えるのではと考えました。ゲップだけであればショウキョウシャシントウという薬もありますし、腹満・放屁を考えればケイシカシャクヤクトウ・ケンチュウトウ類・ジョウキトウ類が考えられます。その前の段階の噛み締め行動を減らすには、カロケイシトウなどの薬もあるのです。


医療サービスとの言葉があるように、医療はよりよい生活(QOL)を送れるような治療法を提供する流れになっています。呑気症で悩む人たちは、適切な治療を受ける機会に恵まれない医療難民に近い存在だと思われます。


漢方相談をしていると”いわゆる医療難民”の相談をよく受けます。学会に積極的に出席し最新の研究成果に触れることで漢方薬の新たな可能性が広がると考えています。漢方薬に加え、認知療法自律訓練法・臨床動作法などの心理療法を組み合わせることで、効果を更に高められるだろうと私は考えています。

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